意図せず 急に 浮かび上がってくる 情景は ほんとうに ほんとうに 何の変哲もない ものが多い 普通に考えたら 記憶に しっかり 残っていても 良さそうな 大学の合格発表の日 (見に行かなかった)とか 夫との初めての デート (全く覚えていない)とか 入社式 (中途入社だし そもそも あったんだっけ?)とか ではなくて 真昼間のグラウンドで 眩しくて 手をかざした日差し とか 長距離走の 順番を待っていた時の 埃っぽい空気 とか 道を歩くたびに 目にしていた鉢植えとか 夕焼けに染まる牧草地とか 金色の葉を落とす 銀杏の大木とか 駐車場の野良猫グループとか 夜に浮かぶコンビニの光とか 意図せずに…