この歌を長らく高村光太郎の歌だと思っていた。光太郎が、精神疾患になった智恵子と房総半島に療養、滞在した時、すっかり変わってしまった智恵子を嘆き悲しんだのだ、と思っていたのである。実際は石川啄木であった。 人生勘違いだらけである。勘違いとはミスコネクティング、2つの情報を間違って接続してしまうことだが、間違う、とはすべてミスコネクティングだと言っていいと思う。 なぜミスコネクティングしてしまうかと言えば、2つの情報がある概念で共有されてしまうからだ。 今回の例で言うと、上記の歌の言葉のイメージと、高村光太郎と智恵子の房総旅行のイメージが一致、重複したのだろう。われ泣きぬれて蟹とたはむる、と、智恵…