いまでは全国津々浦々で見かける100円ショップの最大手「ダイソー」の創業者である矢野博丈の評伝。今年、氏の訃報を耳にして、積読されていた文庫を手にとる。百円の男ダイソー矢野博丈 (祥伝社文庫)作者:大下英治祥伝社Amazon前半は人物伝として面白い。まず医者の息子で大陸生まれというのがカッコいい。落ちこぼれながらも中央大学理工学部をなんとか卒業し、紆余曲折を経て、移動販売・露店方式の100円ショップを起業するあたりはとくに興味深い。その後、スーパーマーケットのテナントでの出店を契機に急成長し、現在のダイソーの礎を築く。後半はダイソーの成長の軌跡を追っているが、事実や数字の羅列が多く読み物として…