トランプが大統領になった途端にジョージ・オーウェルの「1984年」(1949年)がアメリカで爆売れしたという話があります。冗談のような皮肉のような話ですが、少なくともアメリカのリベラル層は、何らかの危機感を抱いたことのあらわれです。 この「1984年」は当時勢いのあったソ連型共産主義社会をヒントに書かれたディストピア小説の古典ですが、学生時代、読書家の上級生に勧められてこの本を読み結構衝撃をうけたのを思い出しました。 1984年、世界は三つの超大国に分断され、常に戦争状態にあります。主人公のいたオセアニアは、ビッグ・ブラザーと呼ばれる指導者のもと、党が国家を厳しく管理、人々は監視カメラで24時…