「いまは誰一人見向きもしないヒースの荒野も、遠い将来観光客が大挙して押し寄せてくるだろう。」そんなくだりがトーマス・ハーディの小説の中に書かれていたような記憶があります。(学生時代に読んだ英語のテキストだったので、記憶違いだったらごめんなさい。) ハーディの生きた1800年代、英国でありふれたヒースの荒野に魅力を感じた人など殆どいなかったことでしょう。しかし、小説家であると同時に詩人でもあったハーディの目は違ったようです。 日本にはススキの原野が各地にありますが、そんなところに観光客が押し寄せることになろうとは、その昔誰が予想できたでしょう。関西では兵庫の砥峰高原や奈良の曽爾高原など、いまでこ…