先日、何気なく街を歩いていたときのことだ。吐く息が少し白くなり始め、年末の気配がじわじわと近づいてきた頃。街全体がどこか落ち着かないようで、それでいて少し浮き足立っている、そんな空気を感じながら歩いていた。 そのとき、前方から突然、やけに力のこもった声が飛んできた。 「お餅!! 食べたい!!」 あまりに唐突で、思わず足が止まる。 一瞬、正月の精霊でも現れたのかと思ったが、声の主はずっと小さかった。見ると、保育園のお散歩中らしい子どもたちの集団が、信号待ちで立ち止まっている。その中の一人が、全身を使って感情を放出していた。 どうやら先生と手をつなぎながら歩く途中、子ども同士で「お正月には何を食べ…