江戸時代の初め、経文の趣旨を、節を付け三味線に合わせておもしろく語った語り物。説経浄瑠璃。 「小栗判官」「石童丸」「信徳丸」「愛護若」「葛の葉」の五つの有名な物語の原作をいまだに語り伝えている。 八王子が本拠の「薩摩派」と、板橋が本拠の「若松派」の二流派がある。
三島由紀夫『近代能楽集』新潮文庫(昭和43年3月25日発行) 能という演劇は、古典芸能の特徴で、どうしても衒学的なところがある。詩句の典拠を知らないと、なんのことやらさっぱり分からない。歌集、物語、説話、漢籍仏典、さらにその諸註釈書。そのうえで舞楽を併せた総合芸術となっている。