【あらすじ&ひとりごと】 西條奈加さんの直木賞受賞作品『心淋し川』(うらさびしがわ)を読みました。 本作品は、表題作である「心淋し川」のほか「閨仏」(ねやぼとけ)「はじめましょ」「冬虫夏草」「明けぬ里」「灰の男」の全6編からなる連作短編で、江戸の片隅・心町(うらまち)と呼ばれる訳ありの町を舞台に人間模様を描く時代小説です。 舞台となるこの町には、心淋し川という流れることのないどぶ川があり、この川の名前から心町と名付けられたという。そして、その川の行き詰まりには、長屋が建ち並び、そこには人生に行き詰った人たちが暮らしている。 でも、そこは人情に溢れ、過去を背負う人たちが人生をやり直す場でもある。…