はじめに エミール・ガボリオの『バスティーユの悪魔』を読んだ。ガボリオと言えば、読んだことはなくとも、推理小説黎明期の作家としてその名をご存知の方もおられるだろう。 かく言う私も、存在を知ってはいたが読んだことはなかったし、そもそも、翻訳がどれくらいなされているのかも知らなかった。 そんな中「バスティーユ」の「悪魔」なる魅力的なタイトルに惹かれて手に取ってみたところ、作者はなんとエミール・ガボリオ。これは読まないわけにはいかない。 ちなみに、タイトルと作者に加えて、版元が論創社であることも読んでみようと思ったきっかけの一つ。論創社の本はあまり読んで来なかったが、質の高い作品、あるいはここでしか…