さて、今回はオネゲルの第5番についてお話します。 交響曲第5番『三つのレ』(Symphonie n°5, Di tre re )は、オネゲルが1947年にクーセヴィツキー財団の依頼を受け、1950年に作曲した最後の交響曲です。初演は1951年3月9日にシャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団により行われました。表題の『3つのレ』は、3つの楽章全てがレ(ニ)音で終わることに由来します。イタリア語で「3人の王」を意味する言葉遊びにも掛けています。セルゲイ・クーセヴィツキーの亡妻ナターリヤに献呈されました。 依頼を受けた1947年にアメリカで狭心症の発作により倒れて以降、オネゲルは心身ともに優れず、…