1904-1979 建築家。昭和3年東京帝国大学建築学科卒業、翌年東京工業大学の講師となり、5年に助教授、18年に教授となり、昭和40年に退官。帝大時代は伊東忠太の教え子。卒業論文名は伊東と同じく「建築哲学」。痛烈な批判力を持った評論、うってかわった名文をも紡ぎだした。戦前から戦中をへて戦後に至る時期における思想的な諸課題をうけとめようとした人物。代表作に秩父セメント第二工場(昭和31)、帝国劇場(昭和41)、東京国立博物館東洋館(昭和43)など。子息吉生も建築家。
谷口吉郎氏設計のこの建物。 ずっと前から見学したくて、何度も前まで行って 「でもな、用事ないのに入っていいのかな…」と いつも引き返してましたが、 ある日思いきって入りました。 …感動。 折り鶴の照明や亀甲の壁、上に置かれた時計や 階段の意匠などなど、とにかく全てに感動…。 《金沢市西町教育研修館》 金沢市西町三番丁16 国登録有形文化財
冬の金沢を行く━其之弐━からの続き tokyosora.hatenablog.com 2日目。 この日は、午前中は2019年7月にオープンした谷口吉郎・吉生記念金沢建築館に行ってきました。谷口吉郎・吉生は共に建築家で、谷口吉郎が生まれたこの場所に建築館を建てました。谷口吉郎の代表作は、ホテルオークラ東京本館(ロビー・オーキッドルーム他)、旧近衛師団司令部庁舎(改修)、金沢市立玉川図書館(親子唯一の設計)、赤坂迎賓館和風別館などがあります。 tokyosora.hatenablog.com tokyosora.hatenablog.com tokyosora.hatenablog.com 谷口吉…
昨日に引き続き、東博のガイドツアー後編となります。 後編は、建物をガイドしていただきました。 ガイドしていただいたのは、本館・表慶館・東洋館の3つでした。 先ずは、表慶館です。 片山東熊による設計で、関東大震災にもびくともしなかった建物です。 片山東熊は、赤坂迎賓館を設計したことでも有名です。 そういえば、外壁のレリーフに同じようなものがありました。 先ずは、阿吽のライオン像です。 そして、バイオリンと般若のレリーフです。 次に本館です。 現在の本館の前は、ジョサイア・コンドルによる設計でしたが、関東大震災で被害を受けたため、銀座和光を設計した渡辺仁による設計が選ばれ、これをもとに宮内省で設計…
これまで、「一番好きな建築物は何ですか?」と聞かれたら、「酒田市にある土門拳記念館です。」と答えていたのですが、今後は、土門拳記念館と答えるか、鈴木大拙館と答えるか、とても悩みます。 今日、ご紹介させて頂くのは、金沢市にある鈴木大拙館。世界的な仏教哲学者・鈴木大拙(だいせつ)の考えに理解を深める文化施設です。設計は、建築家・谷口吉生氏。 建物は、展示だけではなく、来館者自らが、思索の場となることを目的としています。先日、ご紹介させて頂いた「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」での企画展は、「静けさの創造」がテーマとなっていましたが、この鈴木大拙館は、まさに「静けさの創造」を生み出している建築物です。…
金沢旅行の目的のひとつは、建築家・谷口吉郎(よしろう)氏、吉生(よしお)氏の設計した建築を見ることでした。谷口吉郎氏は、明治37年生まれ、金沢市出身の建築家です。東宮御所や帝国劇場の設計で知られています。谷口吉生氏は、吉郎氏の長男で、ニューヨーク近代美術館新館の設計などを手掛けている建築家です。そして、私が一番、好きな建築家でもあります。(谷口吉生氏の建築を見るため、豊田市や酒田市など全国を少しづつ巡っています。) 金沢市には、谷口親子がそれぞれ設計した建築や、共同で設計した建築が現存しています。それらの建築物をブログで少しづつご紹介させて頂きたいと思います。 まずは、谷口吉郎・吉生記念金沢建…
国立工芸館に入ると正面にあるのが、コレ。 中庭、ガラスの向こうにあるので そばに行くことは出来ません。 昨年、国立工芸館1周年のイベントとして 実際に近くで見ることが出来る企画が あったのですが、雨降りのため途中で 中止になりまして、残念。 金子潤氏の作品で、上部の青は青空を、 下部は雨を表しているそうです。 北陸では貴重な青空、そして 「弁当忘れても傘忘れるな」の雨。 ふたつを一度に見ることが出来るこの作品、 惚れます。 他に木村雨山の壁掛と、谷口吉郎の透視図も、 惚れます。 《国立工芸館》 金沢市出羽町3-2
*基本データ 場所:東京国立博物館 東洋館 行った日:2021/9 展覧会 URL ⇒東京国立博物館 - 展示 アジアギャラリー(東洋館) マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 「イスラーム王朝とムスリムの世界」 (tnm.jp) 特別企画なので通常料金のみで見学できます。 東京国立博物館 東洋館は谷口吉郎氏の設計、1968年(昭和43年)に竣工。外観は正倉院をモチーフにしているそうです。 ファサードには十角形の柱が並んでいます。 逆側から見ると地下への階段が見えます。 面の幅が同一ではない特徴的な柱。 上部はこのようになっています、二階には貫通していないようです。 正面入り口には狛犬の…
金沢市立玉川図書館【石川県金沢市玉川町2-20】設計:谷口吉郎・谷口吉生竣工年:1978年(昭和52)Photo:2018年11月谷口親子、唯一の作品である金沢市立玉川図書館。実際には、吉生が設計しているが、上の立場として監修で父吉郎が関わっています。金沢市の市中心部にありながら、玉川公園内にあるため落ち着いた環境にあります。左側が入り口になります。 入り口。 2枚目の反対側になる入り口。 館内は天井が高く、採光性もよく広々とした感じです。 外との一体感があり、ちょっと不思議な感じ。 管理棟にあった不思議なスペース。図書館なので、デザイン性はなくシンプルだけど、シンプルだけど、なんか味わいあり…
*基本データ 場所:東京国立近代美術館 行った日:2018/5 展覧会 URL ⇒生誕150年 横山大観展 | 東京国立近代美術館 (momat.go.jp) 横山大観《生々流転》1923年(部分) 約40メートルの絹本墨画、院展出品作品、チケットは最後の場面。「葉末に結ぶ一滴の水が、後から後からと集まって、瀬となり淵となり、大河となり、最後に海に入って、龍卷となって天に上る。それが人生であらう」(大観談)。大観はなぜ《生々流転》を描こうと思ったのか?それが一番気になります。 ランチは館内にある「ラ・エ・ミクニ」がおすすめ。⇒ランチ | ラー・エ・ミクニ (lart-et-mikuni.jp)…
*基本データ 場所:出光美術館 行った日:2018/2 展覧会 URL ⇒出光美術館 (idemitsu-museum.or.jp) 出光興産の創業者、出光佐三氏のコレクションを公開、展示は日本の書画、中国・日本の陶磁器など東洋古美術が中心です。陶片資料を集めた陶片室は他にない展示方法で資料としても観賞用としてもすばらしい。昔、海岸に流れ着く陶器のかけらを集めていたことを思い出します。(集めてません)併設でルオーの作品を紹介する専用展示室もあり見ごたえ充分。 出光美術館がある「帝劇ビル」は、谷口吉郎 氏によって設計、1966年建設、出光美術館も開館。有楽町駅から歩いて3分くらい、ここから三菱一…
能登半島地震で大きな被害を受けた石川県。能登地方の被害は甚大で、復旧・復興には時間がかかると見られていますが、金沢市内の被害は最小限にとどまり、通常通りの観光を楽しめます。 金沢の街は藩主前田家の居城だった金沢城、日本三景の一つ、兼六園をはじめ、長町に残る武家屋敷、町家が立ち並ぶひがし茶屋街、金沢の台所近江町市場など見どころはつきないですね。 そんな金沢の観光に大変便利な乗車券について紹介させていただきます。 金沢市内1日フリー乗車券 金沢市内を走る「市民の足」となっているバスが北陸鉄道が運行している北鉄バス。市内の観光にも欠かせない存在です。そんな北鉄バスをお得に、そして便利に乗っていただけ…
皆さん、こんにちは。 今回は、愛知県犬山市にある“博物館明治村”に訪れました。 博物館明治村 正門 博物館明治村へは、名鉄犬山線犬山駅より明治村行きの路線バスでアクセスできます。 ということで、“博物館明治村”にやってきました。 路線バスは明治村の正門に到着します。正門に掲げられた『博物館明治村』の木札とレンガ造りの門が立派です。 ちなみにこの門は、かつて名古屋の旧制第八高等学校にあったものです。 ビクティニ:今日は明治村で100年前のSLと市電に乗車します ムーミン:この日は雨だけど、人はあまりいないから落ち着いて散策できるね 明治村について 博物館明治村は、日本に残された数少ない明治建築の…
岐阜城(2023/10撮影) 今年は、肩ひじ張らず、興味の向くままに本を読んだ気がします。
中沢新一/カイエソヴァージュ 中古で7,000円くらいで購入し、bookoffの宅配買取で3,120円で売れた。 楽天ポイントを利用して村上春樹の短編集を4冊無料で手に入れたので、次はこちらを読んでいく。 次の日曜日は美容院に行き、ついでに以前中古で購入した金子眼鏡のフレームにレンズを入れにいく。 4月末に金沢旅行に行くことにした。ホテルもとりあえず予約。 コロナ前の2020年のお正月にも金沢へ行ったのだけど、旅先でインフルエンザに罹ってしまい兼六園や玉泉院丸庭園などを回れなかったので今回はリベンジ。 前回は鈴木大拙館、中谷宇吉郎 雪の科学館、西田幾多郎記念哲学館、谷口吉郎・吉生記念 金沢建築…
今月、東京観光の際、迎賓館赤坂離宮に訪れた。 なかなか来ることがないかと思うが、日本にはめずらしい豪華な建築様式となっており、建築を仕事にしている人にとっては、知らない人はいないと思う。 とはいっても詳しい知識はないが、明治時代にジョサイア・コンドルの弟子であった片山東熊が設計したものを震災などの影響により、改修を行い、今の形があるようだ。 改修の際は、村野藤吾、谷口吉郎といった著名な建築家により行われた。 基本的に内部の写真撮影はNGだが、今回は特別に内部の撮影が出来る場所があった。 近くで見るととんでもない大きさのシャンデリアが吊り下げられている。 壁面、天井も絵画や装飾が敷き詰められてい…
清春芸術村 西には南アルプス、北には八ヶ岳が迫り、富士山も遠望できる、山梨県西北部の北杜市長坂町に清春(きよはる)芸術村という芸術文化複合施設がある。清春白樺美術館、安藤忠雄の光の美術館や、アトリエ、茶室、図書館などの施設からなる。 アトリエ「ラ・リューシュ」とオシップ・ザッキンの『メッセンジャー』 清春芸術村および清春白樺美術館は、武者小路実篤や志賀直哉をはじめとする白樺派同人による美術館構想を、親交のあった吉井長三(1930-2016)が私財を投じて実現し吉井仁実が拡充している。吉井が1977年に小林秀雄、今日出海、白洲正子、東山魁夷夫妻、谷口吉郎らとこの地に花見に訪れ、桜の美しさに魅せら…
<ドラマ><サカー> 08:00-08:15 NHK 連続テレビ小説 ブギウギ 第15週「ワテらはもう自由や」終戦を迎えスズ子(趣里)は東京に戻ってくる。羽鳥善一(草彅剛)、茨田りつ子(菊地凛子)とも再会 1.9% *3.4% 10:00-10:30 EX* 題名のない音楽会「裸足のピアニスト~アリス=紗良・オットの音楽会」…ドイツを拠点に世界で活躍するピアニスト、アリスを「3つのキーワード」 13:05-14:05 NHK 光る君へ[新](1)約束の月 紫式部の波乱の一代記。藤原為時(岸谷五朗)の長女・まひろ(落井実結子)はある日、三郎(木村皐誠)という少年と出会い、二人は 15:05-18…
金沢に一人で建物見物に行ったのは2020年の11月。もう3年以上経つのか。上記のリストにあるいくつか、谷口吉郎・吉生記念金沢建築館や金沢海みらい図書館、もちろん21世紀美術館、鈴木大拙館も見て回った。古い街並みと最先端の建物が混在する都市。これらは新しく建ったものだから、そうそう壊滅的な被害はないだろう。兼六園ももう公開しているそう。復旧の邪魔にならない限りは、回せる経済は回していこう。能登半島の方へ行ったのはもっともっと前。加賀屋に泊まったことがある。 いやそこまでしなくても。従業員の方々にも家族がいるだろうに。こういうことができるのも、大きな規模の旅館ならではなのか。 東日本の時は機動力に…
猪熊弦一郎は何を伝えようとしていたのか ―知らない男が聞きたい事- 猪熊弦一郎と聞いて、これまで、「判っている」 と思ってきた。 それは創作活動からだけで見た個人的な感覚で、「好きか、嫌いか」という評価に近い。 過日、知人の誘いを受けて、何人かで訪ねた彼の家は何と吉村順三の設計で、その家を依頼したのが猪熊だったと聞いた時には一瞬、これはどういうことだ、と思ってしまった。 在米中から依頼していたと聞いたのも、凄い信頼関係だと感じた。 画家と建築家を繋ぐもの、ここからだけでも、この国の文化史に欠けているものを浮き彫りにする視点があるのではないか、と思えてきた。 住宅地の真ん中にある建物は大きく、3…
春日武彦先生の最新刊『恐怖の正体――トラウマ・恐怖症からホラーまで』 読了後、既刊『奇想版 精神医学事典』というとびきり面白そうな本に飛びついた。 fukagawa-natsumi.hatenablog.com 恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで (中公新書) 作者:春日武彦 中央公論新社 Amazon 奇想版 精神医学事典 (河出文庫) 作者:春日武彦 河出書房新社 Amazon 私家版 精神医学事典 作者:春日武彦 河出書房新社 Amazon クセのある精神科医(失礼!)による、 五十音順でもアルファベット順でもなく、 心の赴くまま連想に連想を重ねて綴られた事典形式のエッセイ集。 …
遂に「12月」と書いてしまった! 「ゴーストワールド」リバイバル上映、観たいと思いつつ今抽斗開けなくてもいいかという気持ち。新たな気づきはあるかもだけど、更新したくない感覚がある。公開時見て心の灯火になったこの映画を、「ジュノ」を見たときに思い出してたら早稲田松竹二本立で再見、それすら15年前!この数年で諸々変わりすぎてバス停は向こう岸の、懐かしい思い出の幻・・・。お金と時間と気持ちの余裕は歳とともにどんどん無くなる……ポジティブに行きたいけど食べ物は勿論、文化作品の消化力も弱っているので量控えめに一回一回を大切にしたい、となるとこれまで如何に審美眼を養ってきたかが問われるわけで…考える力も劣…
はじめに 11月8、9日に甲信の美術館、建築を中心に見て回るドライブ旅行に行ってきました。枯れているのが多く紅葉は今一つでしたがお天気に恵まれ楽しい旅でした。 1、11月8日(水) 仁たちが車で迎えに来てくれて6時出発。東名高速横浜ICから入り、海老名で圏央道へ入る。八王子ICで中央道へ。8時双葉SAに到着。レストランは開いておらず、フードコートでほうとうの朝食。8時40分出発。9時に長坂ICで高速を降り、八ヶ岳高原へ向かう。八ヶ岳高原大橋の展望台に9時12分に着き写真を撮る。 八ヶ岳高原大橋、後方中央:甲斐駒ヶ岳 八ヶ岳 富士山がかすかに見える 野辺山高原のJR最高地点で丁度やって来た列車の…
双子座満月てことは、私の「月"逆"回帰」ももうすぐだなと思いつつ。 あ、昨日の月はまだ牡牛座だった。 と思って後ろを見たら双子座の月が出てたので、撮ってきた。 植物の影がいい感じ。 今回の月"逆”回帰のアセンダントは山羊座だったんだけど、ちょうど今年の山羊座の季節から、私の中で歴史小説ブームが始まった。遡ればノンフィクション『空へ』(ジョン・クラカワー)からかな。 現実と物語の中の出来事がシンクロする感じは、『空へ』の感覚が近いかもしれない。まぁ、ヒマラヤと近くの山(しかも遭難した訳ではない)、帝国ホテルと数ある新規開業ホテルの一つ、というので大きな差はあるとして... 本との出会い方は『ボタ…