貞心尼との交流は、良寛にとって大きな心の安らぎとなっていたことでしょう。貞心尼は良寛の教えを熱心に学び、時には彼の草庵を訪れては看病や身の回りの世話をするようになりました。 そして1831年、良寛が74歳でその生涯を閉じる際、貞心尼は最期を看取りました。深い悲しみの中、貞心尼は良寛の教えや人柄を後世に伝えることを決意し、後に彼の生涯を綴った**『蓮の露(はちすのつゆ)』**を著します。この書物には、二人の交流の記録や、良寛が遺した言葉、詠み交わした和歌が多く収められています。 今回は、その心温まる相聞歌の一部をご紹介します。 【1】旅立ちの誘い いづこへも たちてを行かむ 明日よりは からすて…