小説家。1968年生まれ。東京都出身。早稲田大学卒。 1993年第4回鮎川哲也賞の最終候補作「慟哭」でデビュー。本格ミステリーとしてのトリックを作品の中心にすえながら、さまざまな分野や手法に挑んだ意欲的な作品を、次々と発表している。-新潮文庫著者紹介より- 夫人は作家の加納朋子。
「乱反射」で第63回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。 「後悔と真実の色」で第23回山本周五郎賞受賞。 2012年、「新月譚」が第147回直木三十五賞候補になっている。
慟哭 (創元推理文庫)
乱反射 (朝日文庫)
新月譚
貫井徳郎『プリズム』 今日は読書の話題でミステリー編。最近読んだ3冊。 まず1冊名は貫井徳郎の『プリズム』。もう20年以上前の作品になる。 事件は小学校の若い女性教師が自宅で殺されるという事件から始まる。被害者の山浦美津子は生徒に人気のある教師だが、一方でその奔放な性格から、男性関係も多い、彼女の部屋からは睡眠薬入りのチョコレートが発見され、チョコレートを贈った同僚の男性教師の南条が疑われるが、事件には被害者の周囲のいろいろな人物が絡んでいることが明らかになっていく。 小説は4つの章から成り、それぞれの章で、被害者の教え子の男子生徒、同僚の女教師、元恋人、不倫相手が語り手となって、事件を推理し…
迷宮遡行 (朝日文庫)作者:貫井 徳郎朝日新聞出版Amazon 平凡な日常が裂ける――。突然、愛する妻・絢子が失踪した。置き手紙ひとつを残して。理由が分からない。失業中の迫水は、途切れそうな手がかりをたどり、妻の行方を追う。彼の前に立ちふさがる、暴力団組員。妻はどうして、姿を消したのか? いや、そもそも妻は何者だったのか? 絡み合う糸が、闇の迷宮をかたちづくる。『烙印』をもとに書き下ろされた、本格ミステリーの最新傑作。 主人公である迫水は傍目に見ても情けない男です。容姿は平凡、住まいは狭いアパート、しまいには仕事をクビになって無職となってしまいます。 そんな迫水ですが、不釣り合いなほどに器量で…
柚月裕子『盤上の向日葵』 今日は読書の話題。最近読んだミステリー2冊について。 1冊目は柚月裕子の『盤上の向日葵』。私は将棋の腕はさっぱりだが、見るのは好きだ。そこでこの本がブックオフで文庫の上下巻とも百円で売っていたので買ってみた。作者についての知識はないが、この年の本屋大賞2位の作品なので、外れはないだろうと思い読んだ。 細かく章立てがしてあって、まず序章が将棋の最高位を決めるタイトル戦である竜昇戦(竜王戦を思わせる)の場面。七番勝負は最終局までもつれ、タイトル保持者の壬生(羽生を思わせる)に業界から特例でプロ入りした異色棋士上条圭介が挑戦している。そしてそれを石破と佐野(佐野はかつて棋士…
最初のシーン、バスにて席を譲る… 田中の性格がにじみ出た演出。キャラの深堀… 拘置所で【ちひろ】のことに触れ兄妹の関係から実父から性的虐待を受けていたのかと想定していた。(橘弁護士(濱田マリ)同様に) 視聴するのは2回目となった。 映画【愚行録】 いいタイミングだ。 AbemaTVで今日9/9(月)から1週間無料視聴可能だ。 主役??を演じたのは妻夫木聡。 役柄はジャーナリストか?この職業だったからこそ咲いた演出でもあるように感じた。企業に勤めるサラリーマン的な立ち振る舞いでは大きく描写は変わったのではないだろうか。 そう…「田中…」 【タコウトワタナベハオナジイナダイシュッシン…】 田向浩樹…
台風10号は熱帯低気圧になりました。交通の混乱はようやく落ち着いてきているみたいです。まだ油断はできないですが、そろそろ普段通りの生活に戻りたいですね。 暑さは少しましになってきましたし、夕方ミンミンゼミが鳴いていました。 今日から9月。 「北天の馬たち」(貫井徳郎 著)を読みました。 横浜が舞台の小説です。 主人公は横浜・馬車道で喫茶店「ペガサス」を母親と営む毅志(たけし)。店の2階を、《S&R探偵事務所》の皆藤晋(かいどうしん)と山南涼平(やまなみりょうへい)に貸すことになる。喫茶店のマスターをしながら、探偵2人の手伝いを始めた毅志だったが・・・ 横浜って探偵事務所の似合う街なのかしらん。…
ひとつの祖国 作者:貫井 徳郎 朝日新聞出版 Amazon あらすじ 第二次大戦後に分断され、再びひとつの国に統一された日本。だが東西の格差は埋まらず、東日本の独立を目指すテロ組織が暗躍し……。意図せずテロ組織と関わることになった一条昇と、その幼馴染で自衛隊特務連隊に所属する辺見公佑の二人。社会派エンターテインメント巨編。 読後感想 大戦後東日本はソ連、西日本はアメリカに分割統治される ドイツ東西統合後、東日本は混乱なくアメリカ側に西日本政権下に 統一される ただ西日本は繁栄し、東日本は貧困に苦しみ下等国民と揶揄される ただ東日本生まれ東大卒の一条が人間が非戦闘的な性格になる生物科学を学んでい…
龍の墓作者:貫井 徳郎双葉社Amazon VRゲーム中の連続殺人が現実の事件にリンクする。 文中世界はVRツールが日常化した近未来。 直近で Apple Vision Pro を体験したばかりだったので、 こういう世界にも全く違和感は覚えなかったんだけど、 じゃあ、そういう世界観がミステリ的な意味を持ってるかというと、 そうでもなかったのは、ちょっと残念なポイント。 (VRゲームのリアリティさを補強するくらいか) なので、特殊設定ミステリってのとはちょっと違うかな。 ゲーム内事件はまさにそうなんだけど、そもそも前提がゲームなわけで。 ただ、凶器のアイデアは割と好きだった。 本書の一番のキモはゲ…
確かに『プリズム』だった。 面白い。 ミステリにも色んなスタイルがあって感心させられる。 全体の構成が秀逸。 ミステリ好きは必読です。 一人称で語られるその人の特性と 客観的に描写される人物像は違って当たり前である。 『プリズム』に光があたったように 様々な姿を見せる。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a; b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript ||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[…
我が心の底の光 (双葉文庫)作者:貫井徳郎双葉社Amazon 母は死に、父は人を殺した――。五歳で伯父夫婦に引き取られた峰岸晄は、 中華料理店を手伝いながら豊かさとは無縁の少年時代を過ごしていた。 心に鍵をかけ、他者との接触を拒み続ける晄を待ち受けていたのは、学校での陰湿ないじめ。 だが唯一、同級生の木下怜菜だけは救いの手を差し伸べようとする。 数年後、社会に出た晄は、まったき孤独の中で遂にある計画を実行へと移していく。 生きることに強い執着を抱きながらも、普通の人生を捨てた晄。 その真っ暗な心の底に差す一筋の光とは!? 衝撃のラストが心を抉る傑作長編。 序章、中学生の主人公・峰岸晄が学校の不…
原作:貫井徳郎の愚行録を映画で観たのがきっかけだ。BOOKOFFの棚で一冊、同著の小説を見つけた。タイトルは【悪の芽】。内容は想像できないが、映画愚行録に比例するようなイメージを持った。他にも買おうと左手に抱えていた古本二冊を元の棚に戻し【悪の芽】をレジに持って行きすんなりと購入した。 時間が空いた時に読もうと車の後部座席にビニール袋へ入れたままになっていた。それを一昨日ぐらいに起きたあまり気分が良くない出来事から逃れるように手に取り読み始めた。 【悪の芽】を開き読み始めようとするとプロローグが最初に用意されていた。内容はリアルを感じる文章が続きあっという間に著者の世界観に引き込まれた気がした…