※これまでに出した3冊は、いずれもほぼ同じ手順、方法で書いています。 『清朝滅亡』の「はじめに」にこう書いた。 「本書は、そのダイナミックな時代、とくに生身の人間の動きを、基礎的史料のほか、近年出版された史書や論文、報道などの新たな素材から再現しようとしたものだ」 こうした記述方法をとる中国近代史が日本では珍しいせいか、時に執筆の手順、方法について聞かれることがある。今回は、そのご質問への答えとして、我流のレシピを記してみたい。 あらかじめお断りしておくが、自分は、このデジタル時代に非効率極まりない方法を採っており、読む方の参考にはならないかもしれない。『覇王と革命』の執筆には八年以上かかった…