劇画家。1935年6月10日、大阪生まれ。2015年3月7日、死去。
「劇画」というジャンル名の提唱者。兄は、劇画家・劇画出版者の桜井昌一。
中学時代から『漫画少年』に投稿。1952年単行本『こども島』でデビュー。1957年、リアルに描いたアクション中心の自らの作風を「劇画」と名付け、劇画ブームの先鞭をつけた。1959年劇画工房を結成したが、1年で解散。
70年代以降は作風がかわり、社会の下層の人々を主人公にした、暗鬱な短編を主に執筆。
1986年、神田で漫画の古本専門店「ドン・コミック」を開店。
他の作品に「乾いた季節」「てっぺん○次」「大発見」「大発掘」等。
近年は、アメリカ、フランスなどに70年代の作品が翻訳され、「下層労働者の心象をリアルに描いた、初めてのマンガ家」として、海外での評価が高い。
なお、「まんだらけ」のカタログ誌に12年間にわたって連載した「劇画漂流」(貸本エレジー編)822枚が、D&Q社(カナダ)とアスティベリ社(スペイン)から出版。日本では2008年11月にようやく、青林工藝舎から刊行された。
また、短編「おれのヒットラー」24Pが、スコットランドの映像作家ジョセフ・ブリッファの手で映画化されることが決定。
このほかの辰巳作品としては「人喰魚」(ピラニア)、「いとしのモンキー」「穴」「東京うばすて山」の4作品に、スペインとアメリカから映画化のオファーが入っている。
amazon:辰巳ヨシヒロ
amazon:YOSHIHIRO TATSUMI
「タイム誌」06年度ベストコミックス第2位 「アマゾン」06年度ベストコミックス第4位