古式捕鯨と塩釜第1回(はじめに) これは、2024年2月 日本鯨類所から出版された鯨研通信500号に写真や解説を加えたものである。 編集 瀬戸内坂越から 矢竹 考司●はじめに 古式捕鯨時代、鯨の塩蔵や料理に使われた塩に興味をもったのは以下の経緯からである。 2015年から赤穂市の坂越まち並み館を拠点に、かつて坂越の廻船が活躍した72地域に残る石造物の調査、その地域の専門家に取材するのがライフワークになっていた。そんな中2019年春、長門市油谷久津の奥藤家を、長門市教育委員会生涯学習文化財課・上田穰氏と訪問し、話を聞く機会があった。 筆者.上田氏.奥藤氏 久津の海岸の大避神社近くに住んでいる久津…