お正月に川崎大師へ初詣に行かれた方もいらっしゃるかもしれません。私自身も、年末に川崎大師を訪れる機会がありました。今回は、川崎大師とその近くにあった味の素工場を手がかりに、近代日本における「科学・宗教・文化・資本」がどのように交差していたのかを考えてみたいと思います。 川崎大師: なぜ味の素は寺と結びついたのか 味の素と川崎大師(平間寺)の関係は、企業史の片隅にしばしば「信仰」「奉納」といった言葉で触れられることもありますが、この関係は、もっと本質的です。 川崎大師は、厄除け・病気平癒・商売繁盛を担う現世利益的な寺です。江戸期から庶民の生活と密着し、近代に入ってからは企業や実業家の信仰対象とし…