◼️ソイヤ、ソイヤ、ソレ、ソレ あの頃、そんな掛け声が街に響いていた。細眉に剃り込みを入れたいわゆるヤンキーたちが まだ幅をきかせていた時代の話だ。 兄もそんな一人だった。 学生の頃、兄は先生からよく言われたらしい。 「妹を見習え」 その妹が私である。 勉強は私の方ができた。 素行も私の方がよかった。 客観的に見れば、私の圧勝だったと思う。 私の同級生、そして部活の先輩は、 お兄さんカッコいいね。 いいね、泰子さんはあんなお兄さんがいて。 とよく私に話しかけてきた。 腹立たしいことに、それは事実だった。 ■ 兄の武器はふたつだった イケメンであること。 そして、人を笑わせるのがうまいこと。 学…