連節バスは、2両以上の車体を完全固定編成方式によりつなげているバスのこと*1。「連接バス」の表記は誤り。
路線バスの問題である輸送効率の低さを改善するための手段として採用される。
先頭車両の後ろに関節で複数台のバスが連結された構造で、通常は、先頭車両が前後2軸、中間および最後部の車両は後部1軸となっている。最後部車両にエンジンを持つものは、後部2軸となっている例もがある。トレーラーバスとは異なり、各車両間には幌があり通り抜けることができる。
連節では全長が16〜18m、3連節では24〜26mになるため、後退運転操作が難しいとされる。
日本では全長約18mの連節が一般的で、乗車定員が120人程度と、通常の乗り合いバスの約1.5倍になっている。このため、一度の運行でより多くの乗客を運べる利点があり、混雑の解消が進んでいない大都市の郊外で採用されることが多い。
ただ、国内では製造しているメーカがなく、ドイツのメルセデス・ベンツやスウェーデンのボルボなどに限られており、バス事業者は海外製の1両1億円程度する車体を購入する必要があるため、普及は進んでいない。
2014年現在、4事業者が計40台程度を保有している。
国土交通省は、運転手の不足で路線維持が難しくなっている地域もあることから、運行効率を高めることを狙い、普及に向けて、車体購入費用の助成制度*2を2015年度中に設けることを検討している。
なお、バスの構造上、本来は「第二種大型+けん引免許」所持者でないと運転できないが、第二種大型けん引免許所持者自体が少ないことから、牽引車・被牽引車が切り離せないことを踏まえ、これらを合わせて1両とする、いう特例措置により「第二種大型免許」所持者での運行が許可されている。
日本において、連節バスの存在が広く知れ渡るようになったのが、1985年に茨城県・筑波研究学園都市で開催された国際科学技術博覧会(科学万博つくば'85)のアクセスに用いられたスーパーシャトルバスである。
日本で最初に量産導入された連節バスであり、東京・千葉・福島のバス協会加盟31社が、万博協会との契約に基づいて共同運行、万博中央駅*3西口〜万博会場北ゲート間を、学園西大通り〜土浦学園線〜エキスポ大通りを経由し、13kmを所要時間約20分で結んだ。
定員は162名で、足回りはボルボ社から輸入、車体を富士重工で架装し、100両が製造された。
万博終了後、1985年末に50両、1986年に29両がオーストラリアへ輸出された。日本では20両が改装を受けて東京空港交通へ譲渡、東京シティ・エアターミナル〜成田空港間に運用された。
その後、大半が廃車となったが、最後の3両は成田空港内のランプバスとして1999年まで使用された。その後、その3両は1999年に旭川電気軌道へ譲渡され、冬季スクールバスとして運用に就き、2004末まで稼働し、休車になったうえで廃車された。現在はバス愛好家サークルである「アキバエクスプレス」に払い下げられている。
カナダ、アメリカ、ドイツ、セルビア、ブラジル、タイ、中国で使用されている。
高い輸送効率が求められる広い国土を持ち、連節バスの大きな内輪差に対応できる広々とした道路も持つ国で積極的に運用されている。
特にブラジルでは、3連節バスの使用やBRTの実例として知られている。