サバクオオカミの奇岩も素早く対応します。自分たちから距離を保ったままで矢を放ってくる冒頓の騎馬隊に向って、一斉に走り出しました。 バダダアッ、バダダ、バダダダッ! 野生のサバクオオカミが決して上げることのない重みのある足音が、サバクオオカミの奇岩の群れの足元から響いていました。 開けた盆地とは言っても、そこには人の背丈よりも高さのある砂岩が幾つも転がっています。その大岩の陰を上手く利用すれば、いくらかは騎馬隊が放つ矢を避けながら移動することもできるかもしれないのですが、奇岩たちはそのようなことには一向にかまわないようでした。自分たちの姿が相手から隠れているかどうかではなく、自分たちができるだけ…