日本を代表する映画人・山田洋次監督が、寅さんシリーズの50作目にあたる新作「男はつらいよ お帰り 寅さん」公開に先立ち、東京・丸の内にある日本外国特派員協会で記者会見に臨んだのは、2019年10月3日だった。 外国人記者からの質問に答えた山田監督は、感慨深げに振り返った。 「この映画を作るために、50年の歳月が必要だった。渥美清さんが亡くなって20年以上も経つんですけど、渥美さんがもし今生きていてこの映画を見たら『俺、びっくりしたよ』と言うでしょうね。長生きしたからこういう映画ができたというのが、今の感想です」 映画は渥美清演じる車寅次郎をCGで再現し、甥の満男(吉岡秀隆)が「寅さんとの思い出…