山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(29) 今回は、第3章 二つの遺伝子 第3節 進化論・遺伝学における遺伝子概念(p.145~)である。 進化の総合説(ネオダーウィニズム)における遺伝子概念 ダーウィンの進化論は、自然選択によって生物の形態や行動の機能や合目的性を説明しようとする理論である。 ダーウィニズムは、突然変異と自然選択の組み合わせで進化を説明するものとされているが、ダーウィンの時代には「突然変異」という概念は未だなかった。 現代的な進化理論が成立するためには、ダーウィンの自然選択理論と、メンデル遺伝学における数理的側面を発展させたいわゆる集団遺伝学との総合が必要だった…