はしご酒(4軒目) その四十五 「ゼントタナン ココロ ノ ジュギョウ」③ グビリと呑み干したぐい呑みをカウンターの上にトンと置いたAくんは、その、立ちはだかる最大のネックについて、クレッシェンドに語り始める。 「そんじょそこらのシモジモじゃないエライ人たちが、先人たちが、どうにか到達した境地を、軽んじるようになったあたりから、そのヤヤこしさがブクブクと膨らんできたと思うんだよな」 「先人たちが到達した境地を軽んじる?、とは、どういう意味ですか」 「つまり・・・、やれ、偏(カタヨ)っているのでは、とか、やれ、宗教色が強すぎるんじゃないの、とか、やれ、それは洗脳だろ、とか、そういった悲しいほど悪…