正徳3年3月23日。石枕の稲荷をこの度新たに建てた地へ仮遷座する。申刻(午後3時)に出発し、亥刻(午後9時)過ぎに到着する。吉見刑部が束帯で乗物に乗って供をする。足軽頭森本孫介は上下で馬に乗って足軽と共に供をする。城下の祢宜7人は祭礼の時の狩衣を着て供をする。6里(1里は約4キロ)余りのところ、長柄をさしかけさせたけれど、上手くいかなかった。頭を下げるほどの大雨でずぶ濡れになり、三谷若狭は滑って泥田へ落ち、狩衣は泥まみれになってしまった。その他社家の着た狩衣は役に立たないほど汚れ、指貫(さしぬき)は真っ黒になってしまった。白丁を着た者の中には脱がずに大便をした者もおり、糞を白丁にしっかりと包み…