「選挙請負人を扱った作品」の第二弾は、真山仁『当確師』(中央公論新社、2015年)です。当選確率99%を誇ってきた辣腕選挙コンサルタントの名前は聖達磨。選挙コンサルタントが選挙期間中に介入してアドバイス料を受け取った瞬間、公職選挙法違反で逮捕される可能性があります。そのため、聖のビジネスも公示前が勝負。描かれているのがもっぱら公示前の動きになるのは、そのためです。 [おもしろさ] 盤石と言われる現職を叩き潰すことこそ、当確師の…… 当確師としての聖達磨の興味は、盤石と言われる現職を叩き潰すこと。そこには、「選挙で、この国を浄化する」という彼なりの哲学があります。民主主義の根幹は有権者。政治なん…