東日本大震災では、本震とよばれるマグニチュード9の地震が起きる前、大小の地震が起きていたことは忘れられがちです。わたしは、前震が頻繁に起きたことが本震での避難行動に影響を与えたのではないかと考えています。 内閣府が実施したアンケート調査によりますと逃げ遅れた理由として、「避難した後、自宅に戻った」という答えがあります。その内容をみてみますと「防寒服や貴重品を取りに戻った」、「赤ちゃんのおむつを取りに戻った」、「飼い犬を助けに戻った」などが挙げられています。 前震の際、避難を繰り返した住民の方々もいます。例えば、避難先で寒い思いをした経験から、防寒服が必要だと考えた方も多かったのではないかと推察…