京極夏彦の妖怪シリーズ(京極堂シリーズ)第8作。2006年9月26日発売。 2005年8月、シリーズ版元の講談社が「9月22日発売」との予告を発表したが、直後に著者本人がサイトでこの情報を否定したという経緯があった。 発売時の企画として、作品の舞台「大磯・平塚」地区限定の特装版が販売されている。
邪魅の雫 (講談社ノベルス)
邪魅の雫 大磯・平塚地域限定特装版 (講談社ノベルス)
江戸川、大磯で発見された毒殺死体。2つの事件に繋がりはないのか。小松川署に勤務する青木は、独自の調査を始めた。一方、元刑事の益田は、榎木津礼二郎と毒殺事件の被害者との関係を、榎木津の従兄弟・今出川から知らされる。警察の捜査が難航する中、ついにあの男が立ちあがる。百鬼夜行シリーズ第9弾。(紹介文引用) 今作は、探偵榎木津礼二郎にお見合い話が持ち上がった所から話が始まる。だが、何故か、三件の見合いの相手先から次々に断りの連絡がある。それで、その件を探偵見習いの増田君に榎木津礼二郎の親戚の今出川氏が調査するように依頼する所から話が動き始める。でも、当人の榎さんは、全然知らぬ感じで、お話でも一向に出て…
こんにちは、暖淡堂です。 極私的京極祭、越年継続中です。 京極堂(中禅寺秋彦)モノは、スピンアウトを含めて残り数冊。 それを終えると、やっと2023年刊行の「鵼の碑」を手にすることができます。 (勝手に自分で決めているだけですが…) 「邪魅の雫」は2006年9月26日に第一刷発行。 時期的に僕は家族と山口県に住んでいた頃ですね。 山口県にあった書店をいくつか覚えています。 山口市内にあった書店は、いくつか無くなってしまいましたね。 で、この「邪魅の雫」もまた、「探偵」の小説です。 このシリーズに登場する唯一無二の探偵榎木津礼二郎。 その「探偵」との縁談話が持ち上がった女性たちが巻き込まれる出来…
京極堂、榎木津が相変わらずカッコよい。 難しいので登場人物と相関関係をメモして読んだ。それでやっと理解できる感じ。 あと重い。京極本はみんなそうだけど、寝て読むにはふさわしくない。手も腕も疲れる。 最後の榎木津のセリフいいな。「ばかやろう」。色んな思い、こと、まとめてばかやろう、なんだろうな。 Amazon.co.jp: 文庫版 邪魅の雫 (講談社文庫) : 京極 夏彦: 本
いやあ、正直な話、本当に出るとはもう思っていなかったので、すごくびっくりしました。 何がって、京極夏彦著『鵼の碑』。 氏の「百鬼夜行」シリーズの、17年ぶりの本編、長編小説。 数日前、9月14日の木曜日。書店に入った私の目の前で、平台に山積みになっている最新刊を見て(すごく分厚いので、数冊だけでも「山」になってしまうのがスゴイところ)、驚きのあまり「うわあ本当に出たんだ……」と思わず呟いてしまった私。 最近とみに世の中の情報に疎くなっている私は、事前情報や前知識が一切ないままいきなり現物と対面したので、ここ数年来味わったことのない「嬉しい驚き」を久しぶりに体験したのでした(笑)。 鵼の碑 (講…
こんばんは、紫栞です。 ファンが待ち望み続けていた京極夏彦さんの【百鬼夜行シリーズ】(京極堂シリーズ)本編長編新作『鵼の碑』の発売が、いよいよ本当に近づいてまいりました。 鵼の碑 posted with ヨメレバ 京極 夏彦 講談社 2023年09月14日 楽天ブックスで探す 楽天koboで探す Amazonで探す Kindleで探す 鵼の碑 posted with ヨメレバ 京極 夏彦 講談社 2023年09月14日 楽天ブックスで探す 楽天koboで探す Amazonで探す Kindleで探す とはいえ、なんせ17年ぶりで【百鬼夜行シリーズ】は“超絶ミステリ”と呼ばれる世界観もページ数も規…
京極夏彦さんによる『百鬼夜行シリーズ』(『京極堂シリーズ』とも言う)、その最新作である『鵼の碑』が約1か月後に発売される予定です。 それを祝してこれまでのシリーズ作を、私の感想のみで振り返っている記事の後編です。前編の機能は『鉄鼠の檻』までを振り返りました。 なので本日は、こちらの作品の振り返りからです。 ではでは早速、どうぞ! ・『絡新婦の理』 ・・・前作『鉄鼠の檻』から10か月後に刊行されています。『鉄鼠の檻』から1年経たず『絡新婦の理』が読めた時代があったなんて!どんな世界線よ! いやぁ~、この作品も好き。『鉄鼠の檻』同様、私の中でシリーズ1位、2位を争うくらいに好きな作品です。そしてペ…
タイトル:邪魅の雫 全3巻 著者:京極夏彦 評価:★★★★★ 京極堂シリーズの一つです。 正直、ころころと視点が変わり、そのたびに、新たな事実や、別の角度から見た事実が語られていて、頭の中で整理するのが難しかったです。たぶん、そういうのが京極夏彦さんの本の良いところ、なのだろうという気がします。 今回の話、私が最近絵を描いているからなのか、なんとなく色の原則の図を思い出しました。といっても、読んでいるうちにその図の印象が次々と変化していったのですけど。 初めは、一つの円でしたが、それが、RGBでよく見る、色見本的な図形になりました。 いくつもの円が少しずつ重なり合って、大きな円を作っているよう…
こんばんは、紫栞です。今回は京極夏彦さんの『邪魅の雫』をご紹介。 あらすじ昭和二十八年秋。探偵・榎木津礼二郎の元に三度の縁談話が持ち込まれるも、何故か本人達を引き合わせる前に最初は乗り気だった先方から軒並み断られるということが続いていた。先方の家の不審な様子などから何者かの妨害、邪な企みがなされているのではないかと疑いを持った榎木津家の親類・山之内欣一は、薔薇十字探偵社の探偵助手・益田龍一に縁談破談の理由を調べろと言い渡す。 一方、現在交番巡査の青木文蔵は江戸川で発見された会社員・澤井健一の変死体事件と大磯で発見された女学生・来宮小百合の変死体事件を根拠もなく連続殺人だとして捜査方針を決定した…
ペルソナ3ポータブルをクリアした。 ポータブルである。PSPで出たソフトである。 この、評判の良いリマスターが出たこの令和6年に何故ポータブルなのか。 なんか序盤にハマりきれなくてだらだらプレイしていたらリマスターが発表され発売された!!!!!! RPGに一年以上かけてしまった結果、まさかの世間が後ろから追いかけてきて抜かされたという状況に陥った。 去年の夏頃からプレイを始めていたはずが、秋くらいからの記憶が無い。 年始以降はガンダムSEED FREEDOMに脳を焼かれ、ガンダムSEEDを全話観なおし、ガンダムSEED DESTINYも全話見直し、そのままファーストガンダムも全話見て、ガンダム…
京極夏彦『鵼の碑』を読んだ。 ちゃんと面白い。『塗仏の宴』までと比べると物足りないが『陰摩羅鬼の瑕』『邪魅の雫』よりよかったと思う。 詳しくはこのあたりやこのあたりを参照してほしいのだが、京極によると百鬼夜行シリーズは作品の全体構造を考え、同時にそれを体現するような妖怪をディテールとして採用するという形式で作られている。『鵼』で言えば、おそらくまず「複数の事実や認識が重ね合わされるうちに中心を欠いたまま肥大していく話」みたいな全体構造のイメージがあってそれを体現する妖怪としてヌエが採用されている。このイメージを補強するために本地垂迹、山岳信仰、碑文の解釈、忘却とトラウマ、陰謀論などの話題が提示…
二月が終わってしまった。閏日も大したことはしなかった。閏日なんてもともとないはずの一日なんだから、大したことをしない方が本来的な過ごし方なのかもしれないけれど。 今月はあんまり読書できなかったことが少し残念。梓澤要の「華のかけはし」を読んで、改めて江戸時代の天皇のあり方に興味が湧いたので、藤田覚の「江戸時代の天皇」を軽く読み直すなどしていた。それから、少しずつ読み進めている京極堂シリーズから「邪魅の雫」も。複雑な意図を解きほぐすように頁をたぐるのが面白い。最後のほろ苦さ、切なさにかき消されそうになりながらも確実に存在していた、一欠片の掠れゆく甘さが、このシリーズにしては珍しい気がして好きだった…
鵼の碑 (講談社ノベルス) 作者:京極 夏彦 講談社 Amazon 殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。消えた三つの他殺体を追う刑事。妖光に翻弄される学僧。失踪者を追い求める探偵。そして見え隠れする公安の影。発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、縺れ合いキメラのごとき様相を示す“化け物の幽霊”を祓えるか。シリーズ最新作。(粗筋紹介より引用) 2023年9月、書下ろし刊行。 『邪魅の雫』以来17年ぶりとなる「百鬼夜行」シリーズ。というか、そういうシリーズ名だったんだ、これ。 「鵼」の章で始まり、関口巽・久住加壽夫パートの「蛇」、益田龍一・御厨冨美パートの「虎」、木場修太郎パートの「貍」、…
【月曜は鷲をめぐる30曲】5・Long Way Home / Don Henley(’82) ドン・ヘンリーとグレン・フライのソロが出た頃にはバンド解散のアナウンスが出ておらずあくまでも休止中のスタンス(後になってもう解散してたとしたり顔で言われてもなあ…)でした。だから豪華ゲストの初ソロ「I Can't Stand Still」には素直にカンドーした部分ありました。”Wasted Time”という極上のバラードをイーグルス時代にものにしてるヘンリーのその路線の”Long Way Home”には今も胸もうちます。が同じメロディーを流用した”Love Rules”をサントラ(「リッジモント・ハイ…
お世話になっております。事故ったWingちゃんです。 さて、今回は昨年2023年に投稿した記事を紹介したいと思います。 それがこちら。 wingdingsroom.blogspot.com 昨年3月1日に投稿した記事でございます。前すぎますが、是非ご閲覧下さい。 こちらの小説「虚実妖怪百物語」から京極夏彦さんの作品にのめり込んでいったので、とても思い出深い作品です。 新作の「鵼の碑」も絶対読むぞ〜! まだ「邪魅の雫」読んでないけど… (小声) ランキング参加中図書室 ランキング参加中好きな本を好きなように語ろう! ランキング参加中読書の会 ランキング参加中怖いもの好き ランキング参加中学生ブロ…
去年に続いて2023年の振り返りをします. 特に有益な情報はなさそうです. 博士号取得 仕事 競プロ (AHC) 旅行(ビール) 今年の目標の振り返りと来年の目標 印象に残った本,印象に残った映画 本 映画 博士号取得 博士号とりました.詳細は別の記事に書いてます. theory-and-me.hatenablog.com 博士号取ったことによって人生はあまり変わっていませんが,長年の懸念事項が解消するのは気分が良いです. 仕事 論文に関してはAAAIという国際会議に2本論文が通りました(うち1本が主著). 長いコロナ期間を経て久々に現地出張で発表できるので楽しみです. 主著の論文の方は,2年…
今日は自分の実家へ。 実家にて待ち受けていたのは、わんことお使いと点つなぎパズルだった。 美味しいものも沢山あって有難い。 お使いはオカンが1月に観に行きたい映画の上映館の検索。 微妙にキーワードが違ってたみたいである。 らくらくスマホはやっぱりよく分からない。 Googleとインターネットが別で、映画館のサイトをブックマーク入れといたら?という事で保存っぽい事をしたが何処にあるのか操作した自分でもさっぱりよく分からなかった。 尚、其の映画はワテも観たくなった。何処かで時間が取れたら。 点つなぎは普段からオカンが点つなぎ専門誌買って来てやってるのだが、其の中でも点がめっちゃ多いやつをやらへんか…
2023年の雑感(箇条書き) 昨年はとある職場を辞めて転職活動をしていましたが、そこから半年ほど前前職場にうまいこと助けられつつ、ぶじ新職場を得て暮らしが安定しました。ただ、結構大きなリスクにも巡り合い、それは来年前半に解決する予定です。一難去ってまた一難、人生いろいろ。この件を乗り越えられたら有料noteやってもいいかと思えてきている。 新婚&同居生活は極めて楽しいです。入籍タイミングからはやや遅れましたが、新婚旅行にも行けました。新潟下越/佐渡ヶ島/名古屋等大変おもしろかった。次は香港の友人のところを尋ねる旅行計画を立てたいですね。 2022年に目標に掲げた翻訳は相変わらず頓挫していますが…
こんばんは、紫栞です。 今回は、京極夏彦さんの『鵼の碑』(ぬえのいしぶみ)について多少突っ込んだ内容紹介と解説をしたいと思います。 あらすじ 昭和二十九年、二月。 劇の脚本を書くため日光榎木津ホテルに滞在している最中、メイドから殺人の記憶を打ち明けられて懊悩する作家・久住加壽夫。 失踪した勤め先の主人を捜して欲しいと薔薇十字探偵社に依頼した薬剤師・御厨富美。 二十年前に消えた三つの死体の行方を追うこととなった刑事・木場修太郎。 発掘された古文書の鑑定と整理のため日光に滞在している学僧・築山公宣。 大叔父の遺品整理のために空き家となった診療所に訪れた病理学者・緑川佳乃。 二十年前の事故と遺体消失…
本を読まないと夜をやり過ごせない、という記事を書いてからかれこれ2年半ほどが経った。 これを書く前から本を読み漁るようになっていたので、溺れるように読書にのめり込んでからざっくり3年ということにする。あの頃ほど読書に没頭してはいないが、今もKindle Paperwhiteで本を読みまくっていることは確かだ。(没頭していない、とは?) で、文字に溺れ出してから現在に至るまで、結局どれくらいの物量を読んだのか数えてみたくなった。ミステリやフィクションに絞り、人文科学系は省く。 どのみち今週はボルダリングには行けず、他の家事をやる気力もないので逃避行動に走ることにする。理由は前回の記事に。 冊数も…
皆様こんにちは!大阪市阿倍野区の四天王寺公認会計士・税理士事務所の奥野です。今回は2023年9月14日に発売された京極夏彦先生の小説『鵼の碑』について書きたいと思います。 私と京極夏彦について 学生時代にめちゃくちゃハマり、いわゆる京極堂シリーズ(百鬼夜行シリーズ)は全部読み、巷説百物語シリーズも『前~』まで読みました。 京極先生がメンバーになっていた「怪談之怪」の怪談を聴きに行ったり、妖怪雑誌である『怪』や『コミック怪』を買ったり、その影響で鳥取まで妖怪検定を受けに行ったりしました(3回も笑)小説だけでなく、『妖怪の理 妖怪の檻』のような京極先生の妖怪研究の単著まで読みました。 普段あまり映…