ひどい風の音で、まだ暗い時間に目が覚めてしまった同居人。台風じゃないのに、家中の窓ガラスが風でガタガタ、ビシビシ鳴って、時折ピシッ!パキッ!と家鳴りもあったりなんかして、気になって眠れなくなっちゃったんだって。こんな時に同居人が思い出すのは宮沢賢治氏の『風の又三郎』。同居人が小学生だった時に、学校に劇団がやってきて、体育館を舞台にして『風の又三郎』の劇を上演してくれたんだけど、ストーリーはすっかり忘れてしまったけど、なぜかオープニングの暗い情景と風の効果音、体育館の天井から幾重にも垂らされた真っ黒な幕、そしてミステリアスな歌は、メロディーも詞もはっきり覚えているんだって。どっどど どどうど ど…