ボリス・ヴィアン全集〈12〉醜いやつらは皆殺し 作者:ボリス・ヴィアン 早川書房 Amazon さて、ボリス・ヴィアンである。作家、ジャズトランペッター、歌手、画家、俳優、などその多才ぶりは、おフランス好きの少年・少女、元少年・少女にとっては胸を焦がす永遠のアイドル的存在である。 彼の著作というと決まり文句のように『うたかたの日々』や『心臓抜き』、『墓に唾をかけろ』あたりが挙げられるが、僕は『醜いやつらは皆殺し』(ボリス・ヴィアン全集12)を第一に取り上げたい。 これはいけます。『うたかたの日々』で挫折した人もすいすい読めます。久しぶりに再読してみたが、「僕」の一人称で書かれた文体は、全然古び…