わたしの家では、子供のころから、魚がよく食卓にのぼった。 そのため、実際に、「のどに小骨が刺さることが」多くあった。 経験のある方も多いであろう。小骨が刺さると、のどの奥がちくちく、ちくちくと痛くて、2・3日は気になってし方がないものである。 お医者さんにゆくほどではない。魚の骨はやがて溶けてなくなってしまうからである。 夏のある日、テレビを見ていると桂米朝が、『骨つり』という落語を演じていた。 東京落語でいえば『野ざらし』であろう。 男が魚釣に出かけて、しゃれこうべをみつけたときに、供養のために持っていたお酒をかけて帰ってくると、夜に美女がお礼にあらわれるという落ちばなしである。 頭骨に酒を…