7 理論と実践を分離する西洋哲学の終焉― 実践を通じて高次の理論を目指す東洋宗教 湯浅泰雄氏は西洋の知の伝統について「哲学がさまざまの学問を統合する高い知を求めたということ自体は正しかったと思います。しかし、そのための統合的視点を知的論理の形式、つまり理性だけに求めたところに疑問があった」と、「理性至上」の問題点を指摘しています。 そして、西洋近代文明が世界を支配した時代が終わろうとしている現在の状況を踏まえて、次のように述べています(『宗教と科学の間』筑波大学退官講義―平成元年二月一日)。 序章 哲学の再生 …ここでの問題は、テオーリアの知とプラクシスの知を区別して、テオーリアの知をより価値…