私は大学2年生のころから歩き旅をしている。 ひとつのまちを出発し、日が昇っている間は歩き、どこかあたらしい土地で休む。 日が明けたら、再び歩く。次の土地に着く。休む。次の日も同じだ。 こういう形で点と点をつないでいき、振り返るとおそらく2000㌔は歩いた。 私の頭の中には、日本列島のオリジナルグーグルマップが埋もれている。たまに脳内再生するが、これが結構楽しい。例えば、超早送りで東京~鹿児島間の沿道風景をリプレイできるわけである。 初めてこれに挑戦したときのことを綴りたい。 大学2年生の冬。時間ばかりはたっぷりある中で、私は余計な考え事にうなされていた。 以前書いたが、独我論という思想にとらわ…