発行部数が百万を超える雑誌なぞ、あの何事も派手にやらねば気の済まぬアメリカならではの現象である。国土も人心もせせこましい大和島根でそんなことを望むのは、はっきりいって痴人の寝言、木に縁って魚を求むるが如き、どだい無理な註文よ。―― そうした引け目が、長いこと日本の業界人を支配していた。 これをぶち破ってのけたのが、講談社であり、『キング』である。 (Wikipediaより、『キング』創刊号) のっけからしてもう凄い。創刊号の段階で、いきなり七十万部を超える、絢爛華麗な登場ぶりを披露している。そのまま右肩上がりに業績を伸ばし、昭和三年十一月の増刊号では、なんと百五十万部の大台を突破。日本出版史に…