路傍の花シリーズ「キンシバイ」。 それは初夏の風の強い日だった。 黄色の花の群生が県道脇にこんもりと茂って続いていて、それが青い風に大きく波打っていた。 蜥蜴マークのついた黒い大きなLARKINSのリュック(似合わん)を背負った初老の男が、よたよたとクロスバイクを走らせていた。中にはマックスバリュ久留米西店の食料品日用品がギッシリはいってる上、両ハンドルにはWEST久留米白山店の持ち帰り肉ごぼう天うどんと、ほっともっと久留米庄島店の特撰幕の内弁当をぶら下げていた。全て母の御所望の品々である。結末は明らかだろう、縁石を避けようとして案の定大コケして左内腿を強打、青痣が今も癒えない。 キンシバイ(…