著者は1953年生まれ。たとえば坂本龍一が1952年生まれ、桑田佳祐が1956年生まれなのと同時代人。とすると、ドメスティックな音楽がこどものころから身近にあり、西洋音楽を写した歌謡曲を聞き、小学生の時から洋楽やビートルズを聞いていて、戦後の前衛音楽のコンサートに行っていた(最後のを桑田がやったとは思えないが)。いつでも多種多様(しかし日本の資本主義とナショナリズムのバイアスがかかっているが)な音楽が身近にあった。それより前の世代は、JazzがFENで流れていたとしても、自覚的に選択しないと聞けなかった。そうすると、著者は指揮者で作曲家であるのだが(すみません、本書を読むまで知らなかった)、西…