「わたくしも十六になります。」 八百屋お七 『好色五人女』井原西鶴 江戸日本橋を出立して,東海道第一宿が品川宿。 品川宿から旧東海道を南に下り,大井競馬場の近くに大経寺というお寺がある。かつてここに鈴ヶ森刑場があった。江戸初期,由比正雪の乱(1651)のころから設置された。幕府三代将軍家光のころまでの武断政治により,浪人が増加し,それとともに犯罪も多発する。江戸の入り口のこの場所に刑場を設置したのは,警告の意味もあったのだろう。 鈴ヶ森で処刑された人物の一人に「八百屋お七」がいる。女性,しかも少女であったことから今でも語り継がれる。罪名は放火。動機は「恋」。というのも話題性十分である。井原西鶴…