FIDMarseilleは、1989年に創設されて以降フランス南部の港町マルセイユで毎年開催されている映画祭である。これまでにシャンタル・アケルマン(向こうから)、ワン・ビン(鉄西区)、パトリシオ・グスマン(ピノチェト・ケース)といった名だたる映画作家たちの作品が、国際コンペティションの最高賞を受賞するなど、現代の作家の仕事の意義を検討するために重要な位置づけを持った映画祭であると言えよう。本映画祭の国際コンペティション部門から、一作品をピックアップしたい。 ・『Contretemps:Night is a day』(ガッサン・サルアーブ) ガッサン・サルアーブの新作『Contretemps:…