◆動くべき時 亮太が奈葉との関係をなかなか進めないことに、祖母はしびれを切らしたように口を開いた。 「亮太、その彼女はあんたを『待っている』んだよ」 「待っている……?」 亮太が思わず聞き返すと、母がその言葉を受けるように続けた。 「そうじゃなきゃ、毎週二人で会ったりしないでしょ。 早くしないと、他の男に取られちゃうわよ」 祖母もうなずきながら、優しく背中を押す。 「それでもいいのかい?」 亮太は曖昧に笑い、視線を落とした。「はあ……」 父が腕を組み、諭すように話す。 「お前は本当にじれったい奴だな。女性から動くことはそうそうない。 亮太、お前が行動しない限り、二人の関係は止まったままだぞ」 …