第19回「果たせぬ凱旋」を視聴した。 頼朝と義経が完全に決裂してしまう回なので、ぐっさり心を刺される覚悟をして臨んだけれども、痛みよりも悲しみの勝る回だったと思う。 ドラマの中の義経は、無私の情愛や信頼を受け止める機会をことごとく逃しつづけ、周囲を取り囲む人々の打算や嫉妬に翻弄されながら、居場所を見失っていく。 けれども義経自身は、もっと早い時期に、兄の作る新しい武家社会に自分の居場所のないことを薄々気づいていたようだし、壇ノ浦での勝利によって、その気づきは冷え冷えとした確信に変わっていたようにも見えた。 都の義経を襲撃した土佐坊昌俊(とさのぼうしょうしゅん)は、ドラマの中では義経の正妻、里(…