本車は信越線で70系に交じって活躍していたクハ68ですが変わり種です。というのは、東京向けのクハ55の最後の平妻グループから改造されたクハ68だからです。40系の最初のグループは城東線・片町線用に大阪に配備されましたが、1934~35年の平妻車は関東向きに増備されました。大阪と引き通し線の仕様が異なっていたため当初100台を名乗っていましたが、後に大阪組の続き番号に改番されました。 この関東向けの最後の平妻グループの特徴は、半室運転台だったものの、大阪向け初期車とは異なり、半室運転台の大きさがやや拡大されました。そのため運転室扉後の小窓が2つ連なっているのと、夏の暑さ対策で、運転台に正面と側面…