1962年生まれ。歯科医の傍ら歴史家として活動。 明治〜戦前の新聞、雑誌文化への造詣が特に深い。 著作に『偽史冒険世界 カルト本の百年』(ちくま文庫)、『明治・大正・昭和 日米架空戦記集成』(中公文庫)、『人はなぜ歴史を偽造するのか』(新潮社)、『懐かしい未来―甦る明治・大正・昭和の未来小説』(中央公論新社)、『「人間嫌い」の言い分』(光文社新書)、『若者はなぜ「決められない」か』(ちくま新書)、『父親革命』(新潮社)ほか多数。
2019年5月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 前回、次男の留年について書いたが、結局、新しい道に進む勇気はないようで、再び3年生を続けることになった。 そんな折でも、私は原稿書きを続けている。今やっているのは「残すべき東京の風景」「恋愛とデモクラシー」と、自分の趣味からきている面もあるが、抽象的、観念的なものが多く、切り口でどうにでも内容が変わってしまう話だ。 日々何をしているかというと、まず企画会議でテーマが決まった時点でぼんやりとだがお話を考える。そして次は図書館に行き文献に当たる。例えば「東京の風景」については30冊には目を通し、その中から面白いことを言っている本…
人類は、ますますスピードを追い求めています。江戸時代なら、東京から大阪まで移動するのに何日もかかっていましたが、現代では、3時間ほどで移動が可能となっています。速いスピードは、確実に人類の生活を便利なものとしてくれています。これからも、スピードの追求が我々の生活を豊かにしてくれるでしょう。スピードの追求は効率化の追求とも言い換えることができます。それは、物理的なスピードだけでなく、決断のスピードも要求するものです。果たして、決断までスピード重視になることが、社会を豊かにするのでしょうか。
一条真也です。『モダニズム・ミステリの時代』長山靖生著(河出書房新社)を読みました。「探偵小説が新感覚だった頃」というサブタイトルがついており、1920年代に勃興・隆盛するモダニズム文学と探偵小説。怪奇、犯罪、科学といったテーマを軸に、相互に影響しあう熱い磁場を活写した本です。1962年生まれの著者は、本業である歯科医の仕事のかたわらに近代日本の文化史・思想史から、文芸評論や現代社会論まで、幅広く執筆活動を行っています。ブログ『日本SF精神史【完全版】』、ブログ『奇異譚とユートピア』で紹介した本に続いて、著者の新刊を読みました。 本書の帯 本書のカバー表紙には古賀春江「海」1929年(東京国立…
一条真也です。『奇異譚とユートピア』長山靖生著(中央公論新社)を紹介します。「近代日本驚異〈SF〉小説史」というサブタイトルがついており、明治期以降、ヴェルヌやロビダの影響を受けながらも、独自に発展した科学小説や政治小説の夢想力と生成過程を当時の世相から考察した本です。著者は評論家・歯学博士。1962年、茨城県生まれ。91年に鶴見大学大学院を修了。学生時代から文芸評論家として活動。横田順彌らと古典SF研究会を創設し、初代会長に就任。大衆小説・科学小説・思想史研究・家族や若者の問題など、多ジャンルにまたがる旺盛な執筆活動を行っています。ブログ『日本SF精神史【完全版】』で紹介した本に続いて、ハー…
一条真也です。『日本SF精神史【完全版】』長山靖生著(河出書房新社)を読みました。1962年生まれの著者は、本業である歯科医の仕事のかたわらに近代日本の文化史・思想史から、文芸評論や現代社会論まで、幅広く執筆活動を行っています。ブログ『『論語』でまともな親になる』で紹介した本をはじめ、わたしは著者の本を数冊読んでいますが、オカルトやSFなど、わたしの関心分野と重なる面も多く、非常に面白い本を書かれています。本書もとても面白く読みました。 本書の帯 本書のカバー装画には、小杉未覚筆の押川春浪「鉄車王国」(「冒険世界」明治43年4月増刊号)の口絵が使われ、帯には「幕末・明治から戦後、そして現在まで…
会話のネタに、夏におすすめのサブカルと雑学の本はいかがですか? 「夏におすすめの本」シリーズ、第3回はサブカルと雑学の本です。サブカルの辞書的な意味は、「ある文化圏で主流ではない独特な文化」といわれ、漫画やアニメの文化を呼ぶ言葉として多く使われてきました。現代では漫画やアニメに限らず、広い意味で使われるようになり、サブカルを研究する社会学者の方もいるほど。また、雑学は暮らしの中にあるちょっとした知識として会話のネタにもなりますよね。今回は、多くの本が出版されているサブカルと雑学の本から4冊紹介させていただきます。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || [])…
こんにちは、ナマケモノ・チルです! 今日はちょっとした心理学のお話を持ってきましたよ。 皆さん、「すぐに人を嫌いになってしまう」という気持ち、どこかで感じたことありませんか? この感情、実は人間関係や自分の幸福感にも大きく影響しているんです。 そこで今日は、このような感情をどうにかして克服する方法について、具体的なステップを一緒に見ていきたいと思います。 記事を通じて、少しでも皆さんのお役に立てればと思っていますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね! すぐに人を嫌いになる心理を克服するためのガイド はじめに 「すぐに人を嫌いになる」―これは多くの人が直面する問題です。この感情は人間関係や自己…
暑くなったり寒くなったりしつつ早いもので世の中は新年度ですが、まだまだ旧年度の新刊が睨みを利かせています。年度の切れ目など、人類そして宇宙の歴史の前では何の意味も持たぬ区切りにすぎない……人類の営みとは……などと紋切り型の詠嘆をたわむれに捻りつつ、2024年3月の気になる新刊をどうぞ。 嘘つき姫 作者:坂崎かおる 河出書房新社 Amazon 2020年より、SFを中心とした様々なコンテストに入賞してきた新鋭の初の単行本が登場。岸本佐知子・小山田浩子・斜線堂有紀という豪華作家陣が推薦コメントを寄せている。 しをかくうま (文春e-book) 作者:九段 理江 文藝春秋 Amazon 今年2月に『…
子どもをふつうに育てたい 長山靖生 著 私は単に自分は自分だと思っているだけだ。だから私は「万能感」や「(理想化された)本当の自分」ではなく、今ここにいる自分を正確に把握する努力をしている自分にプライドを持っている。 思うに人間のプライドというものは、誰かとの比較によって生まれる感情ではない。それは劣等感や優越感とも関係ないもので、その人の全人格の統一性にかかわる感情である。「自分が自分であることにプライドを持つ」というのは、虚構の自分に依存しないということである。 (中略) 「自分のやっていること」しかできていないのが「今の本当の自分」で、「自分はかくありたい」と夢想している「理想としての(…
■雪 ■長山靖生『SF少女マンガ全史 ――昭和黄金期を中心に』 ■リンク ●―― 曇り時々雨 最高8℃ 最低0℃ ■雪 夜中の3時ぐらいには屋根に雪が3センチぐらい積もっていたはずだけど、雨で溶けたなー。でも寒い。 ■長山靖生『SF少女マンガ全史 ――昭和黄金期を中心に』 amazonで予約。 SF少女マンガ全史 ――昭和黄金期を中心に (筑摩選書 0276) https://amzn.asia/d/2B4MEMR SF少女マンガ全史 ――昭和黄金期を中心に (筑摩選書 0276)作者:長山 靖生筑摩書房Amazon ■リンク ●コンサートプロモーターズ協会(ACPC)が声明を発表! | Re…
■あたまいたい……わけではないが ■刀剣乱舞 ■リンク ●―― 晴れときどき曇り 最高9℃ 最低2℃ ■あたまいたい……わけではないが あたまいたい……わけではないけど、暑いのか寒いのか認識できない。 気温差に身体がついていけない。 ■刀剣乱舞 刀剣乱舞、ちよこ大作戦ポイント報酬全部ゲット。 あとは経験値とレア刀剣ゲットのために頑張ります。 119振のうち、4振りが平野/前田/蜻蛉切/宗左/和泉守、3振りがソハヤ/大包平/大倶利伽羅/太鼓鐘/浦島/まんば/今剣/陸奥守/堀川/小夜。 通常鍛刀ができない刀が、山鳥毛/2南泉/2大般若/松井/桑名/豊前/大典太/大千鳥/水心子。 政府刀がほとんど来…
攻殻機動隊 1.5 HUMAN ERROR PROCESSOR(士郎正宗) シャングリラフロンティア〔TV〕ep,18 J2 ファジアーノ岡山 対 栃木SC〔シティライトスタジアム〕2月25日 薬屋のひとりごと〔TV〕ep,19-20 ブラタモリ〔TV〕鎌倉の寺 Foot×Brain〔TV〕南葛SC あべあいこと音楽の人〔おきたまGO〕2月27日 2月振返り、200回記念 おまかせレスキュー(横山えいじ)〔SFマガジン4月号〕Vol.255 魔法と科学の異業種対決 SFのSは、ステキのS(池澤春菜)〔SFマガジン4月号〕第109回 春菜、修羅の国へいく 一九八四年くらい前(宮崎夏次系)〔SFマ…
朝日新聞出版 最新刊行物:新書:一億三千万人のための『歎異抄』 FROM 親鸞への接近 四方田犬彦 工作舎 2018/8/24 - いもづる読書日記 萩尾望都がいる 長山靖生 光文社新書 2022年7月13日 - いもづる読書日記 書き換えられた聖書 バート・D・アーマン 著 ちくま学芸文庫 2019/06/10 - いもづる読書日記 証し 日本のキリスト者 最相葉月 KADOKAWA 2023年01月13日 - いもづる読書日記 TO 伊藤比呂美の歎異抄 :伊藤 比呂美|河出書房新社 歎異抄がここまでコンパクトな本だとは思っていなかった。誤読するなというのが無理じゃないだろうか。著者の訳文は…
楽天ブックスで買った本が到着。 ハビエル・セルカス『テラ・アルタの憎悪』(ハヤカワ・ミステリ/白川貴子 訳) S・S・ヴァン・ダイン『グリーン家殺人事件』(創元推理文庫/日暮雅通 訳) ホリージャクソン『受験生は謎解きに向かない』(創元推理文庫/服部京子 訳) スティーヴン・キング『シャイニング(上・下)』(文春文庫/深町眞理子 訳) スティーヴン・キング『ミザリー』(文春文庫/矢野浩三郎 訳) ジャン=クリストフ・グランジェ『通過者』(TAC出版/吉田恒雄 訳) 方丈貴恵『孤島の来訪者』(創元推理文庫) 山中峯太郎『亜細亜の曙』(河出書房新社) 長山靖生 編『モダニズム・ミステリ傑作選』(河…
社会学部にてメディアやポピュラーカルチャー研究などの専攻を考えている学生へのお薦め新書。 稲増一憲『マスメディアとは何か:「影響力」の正体』中公新書、2022年 稲田豊史『映画を早送りで観る人たち:ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』光文社新書、2022年 瀬地山角『炎上CMでよみとくジェンダー論』光文社新書、2020年 金成玟『K-POP:新感覚のメディア』岩波新書、2018年 高野光平『発掘!歴史に埋もれたテレビCM:見たことのない昭和30年代』光文社新書、2019年 貞包英之『消費社会を問いなおす』ちくま新書、2023年 天野彬『SNS変遷史:「いいね!」でつながる社会のゆ…
2023年読書総数 32冊 オススメ本ベスト21.「西の善き魔女」 荻原規子 角川文庫 2.「日露戦争史」 半藤一利 平凡社ライブラリー 【1月】1.「RDG レッドデータガール3 夏休みの過ごしかた」 荻原規子 角川文庫 2.「知らないと恥をかく世界の大問題13」 池上彰 角川新書 【2月】3.「RDG レッドデータガール4 世界遺産の少女」 荻原規子 角川文庫 【3月】4.「RDG レッドデータガール5 学園の一番長い日」 荻原規子 角川文庫 5.「日露戦争史」第1巻 半藤一利 平凡社ライブラリー 6.「萩尾望都がいる」 長山靖生 光文社新書 7.「ガラスの地球を救え」 手塚治虫 光文社新…
不勉強が身にしみる~学力・思考力・社会力とは何か~ (光文社新書) 作者:長山 靖生 光文社 Amazon なぜか不勉強な私たち とある資格を取ろうと思いたって久しぶりに勉強というものを始めてみたものの、体力が落ちているのか、忍耐力がどこかに行ってしまったのか、それとも日々の暮らしに余裕がなさすぎるのか、とにかく進捗しないまま半年が過ぎてしまいました。思えば学生のころからそうであったような…。子どものころに何故もっと真剣に勉強しなかったのかと悔やんでいる大人の何と多いことでしょうか。 「不勉強が身にしみる」の言葉通り、大人になればなるほど歳を重ねれば重ねるほど、自分がいかに小さくて無知であるか…
「人間嫌い」の言い分【電子書籍】[ 長山靖生 ]価格: 693 円楽天で詳細を見る ”人生というゲームでは、うまく逃げきれれば負けにはならない。勝ち組の人から見れば負けは負けかもしれないが、戦い続けるよりも自分に合った生活をつかめる。そういう人間的な生活だってあるのである。” 過酷な競争原理に支配されている現代社会、私のように何の取り柄もない人間に「戦え」というのは「死ね」というのと同じだ。死ぬぐらいなら、早々に負けを認めて競争からリタイヤしてしまったほうがいい。 自分の弱さを認めて世間の競争から逃げてみると、意外と自分の長所や強みが見えてくる。 ”人間嫌いの精神とは、他人に甘えず頼らず、孤独…
日本SFの関係者の死にざまを調べてみた。著名な作家、翻訳者、編集者が対象であり、WIKIPEDIAが情報源であります。 広瀬正 47歳 心臓発作 半村良 68歳 肺炎 光瀬龍 71歳 食道がん 福島正実 47歳 不明 横田順彌 73歳 心不全 平井和正 76歳 心不全 星新一 71歳 口腔がんから間質性肺炎 野田昌宏 74歳 肺炎 柴野拓美 83歳 肺炎 手塚治虫 60歳 胃がん 小松左京 80歳 肺炎 今日泊亜蘭 97歳 肺がん 矢野徹 81歳 大腸がん 浅倉久志 80歳 心不全 山野浩一 77歳 食道がん 栗本薫 56歳 膵臓がん 眉村卓 83歳 肺炎 石川喬司 92歳 肺炎 網羅的ではさ…
同窓会の出欠確認が締め切られた。私は不参加。親しかった友人らも同様だった。 なぜか安堵している自分がいる。 しかし、彼らの間で別の催しが計画されていると考えると、夜もおちおち眠れない。 真心ブラザーズの『家巣、愛無 OK!』(作詞・作曲:YO-KING、2007年)という曲に「テレビの予約録画がうまくできてるかどうか心配なのさ」という歌詞がある。 『古畑任三郎』の全話録画という、崇高なる使命を遂行している私にとって、これほどまでに共感できる歌詞はないだろう。 予約録画の失敗は、死ぬことの次に怖い。特に停電。雷はダメ。 雷は充電中のパソコンの天敵でもある。 「地震雷火事親父」は本当だなと思う。 …