『冬に子供が生まれる』佐藤正午著(小学館, 2024年) 僕は、UFO(未確認飛行物体)を見たことがある。 小学5年生の冬、夕方5時ごろ、運動場でサッカーの練習をしていた。 「あれ!」 と、友達が北の空を指さした。一斉に見上げる子供たち。円盤状の物体が5~6機、直線状に飛んで行った…という僕の記憶がある。そして、同窓会のたびに、この話になる。 「あれって、絶対UFOだったよね」 「うんうん、北から飛んできた」 「いや、南から丸いのが」 「いや、四角の物体だよ」 などと、それぞれに記憶は違っており、話すたびに記憶は捏造され、今となっては、本当にUFOを見たのか怪しいし、単なる同窓会のネタとなって…