俳人。1954年、熊本県小川町(現・宇城市)生まれ。
東京大学法学部卒業。中学時代より句作を行ない、後に、飴山實氏に師事する。俳人。同人誌「夏至」同人。読売新聞社文化部記者。 著作、句集『古志』(牧羊社)など。『俳句の宇宙』(花神社)にて、1990年度サントリー学芸賞を受賞。
和の思想 日本人の創造力長谷川櫂岩波現代文庫2022年7月15日 第1刷発行 昨日の続きを。。。 ちょっと、重いなぁ、と思った話題から。 谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』の問題点、それは日本人を卑下したような表現も含まれているということ。白人の中に交じって談笑している日本の女性は、すぐに見分けがつく、と書いている。「皮膚の底に澱んでいる暗色」を消すことができないから、、、と。それは、「白紙に一点の薄墨のしみができたようで、、、」と。日本人女性を、汚物であり、目障りとまで言っているのだ。。。 西洋化を成し遂げることは、白人になることであったとでもいうのか。。。。著者は、「愚かな自尊心」と言っている。ここ…
和の思想 日本人の創造力長谷川櫂岩波現代文庫2022年7月15日 第1刷発行 *本書は、2009年6月中央公論新社より刊行された。岩波現代文庫に収録するにあたって新たに第1章を書き下ろし大幅に加筆を施した。 とある勉強会で隣に座っていた友人が読んでいて、面白そうだった。すぐに読んでみたくて、彼に会ったその翌日に本屋さんに寄った。岩波のコーナーで平積みになっていたので買ってみた。 帯の背中には”和とは、日本とは何か” 表には”羊羹は瞑想の菓子春の雪異質のものの共存こそ、和の創造力である解説:中村桂子” 帯にある本文抜粋には、”和を創造的運動と定義すれば、峠の霧が晴れ渡るようにたちまち視野が開ける…
NHK俳句、一月の纏めです。僕の備忘録として残しています。お付き合い頂ければ嬉しいです。 第一週、レギュラー陣がお元気に登場。司会は戸田菜穂さん、進行役は宮戸洋行さん、選者は小澤實さん。ゲスト「令和の新星」は藤井あかりさん。1980年、神奈川生まれのママさん俳人。今週の兼題は「春待つ」ですが、冒頭に藤井さんの句の紹介がありました。 羽もなく鰭もなく春待ってをり 藤井あかり (鰭=ひれ) もう一句、小澤さんが”いい句だ”と紹介された藤井さんの句です。 冬河原独りになりに来てふたり 藤井あかり 「たんたんと書かれているように見えるが、句の中で大きく感情が動いている」という鑑賞がナルホドと感心しまし…
さっき朝の人気番組に出演している福島県出身のアナウンサーが国を批判するような事を2016年03月12日NHKの映像美の礎を作ったのは、私の母校である仙台二高の先輩だと何度か言及して来た。3.11を迎えるにあたって、NHKは良い仕事をしている。おまけに昨日から続いている、今回の、とても良い特集の中継基地が閖上だったから、余計に私は見ていた。今日の分もすべて録画していた。 今は、ライブで観ていた。さっき朝の人気番組に出演している福島県出身のアナウンサーが、国を批判するような事を言ったのだが、彼は、当時の内閣がどんな内閣で、どんな人間が総理大臣だったのか、或は、朝日新聞が、この政党に政権を取らせ、そ…
勇気こそ地の塩なれや梅真白 中村草田男 しんしんと肺碧きまで海のたび 篠原鳳作 旅に病で夢は枯野をかけ廻る 松尾芭蕉 痰一斗糸瓜の水も間に合はず 正岡子規 たましひのたとへば秋の蛍かな 飯田蛇笏 曼殊沙華抱くほどとれど母恋し 中村汀女 戦死全て犬死なりき草茂る 長谷川櫂 鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし 三橋鷹女 秘してこそ永久の純愛鳥渡る 佐藤鬼房 蝉時雨子は担送車に追ひつけず 石橋秀野
ふるさとの土の底から鉦たたき 種田山頭火 よき声の鳥を近くにハンモック 渥美絹代 山椒魚身じろげば水みじろぎぬ 長谷川櫂 十六夜の雨声しばらく蓮にあり 水原秋桜子 月の出の棚雲染まる青葉木菟 岡田貞峰 松蝉や肩より乾く汐仏 白澤よし子 白樺を抜けてアリスの夏帽子 野中亮介 降りてゆく滝への道は師への道 西川織子 どの道も黄泉へつづけり麦の秋 同上
*「青磁社通信」32、2023.8.1、6p 。 *長谷川櫂氏の句集『太陽の門』の評。
Twitter(X?)では書きましたが、7月下旬の十日ほど手術入院をしていました。数年前から、雑巾を絞るような動きをすると左手親指の付け根辺りに激しい痛みを感じることがあり、年々その痛みが強くなってきたので、今回手術を受けることにしたのです。母指CM関節症という症状です。左手親指の付け根の骨を切除し、左手の腱を移植して左手親指と人差し指とを繋ぐ、という手術だったそうです。 「母指CM関節症」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる ぐるぐる巻きの包帯を解くと、左手甲や手首の3カ所に手術で切開した痕があり、まだ抜糸前なので、ブラックジャックの頬にあるような縫い目が何本か見られます。手術痕の痛みは…
長年にわたり気になっていた長谷川櫂『古池に蛙は飛び込んだか』(中公文庫)をようやく読んだ。元版の花神社刊単行本は二00五年の出版だからすくなく見積もっても気がかりは十年あまりにわたっている。そして遅まきながら読んでよかったと思ういっぽうで、もっと早く読んでおくべきだったと悔やんだ。 文庫版の解説は川本三郎氏が担当しており、なかで「評論の真髄は、これまで誰も言わなかったことを、誰もが普通に使っている平明な言葉で語ることにある」としたうえで本書が「評論の真髄」であることをずばり指摘している。仲間ぼめだと疑うなら手にとって検証してみてください。 本書が「評論の真髄」たる所以を端的にいえば、貞享三年、…
長谷川櫂先生に発句をいただいた「菊たけなはの巻」・ 大雪や休館日、風邪など、お休みの月もあって、ずいぶん長くかかりましたが、ついに名残の裏に入りました。 一句目 香聴くは闇聞くことと思いをり 橋本 ちょっと重いので、軽めにサラリと行きたい。 二句 スマートフォンの電源オフに 佐藤 闇の静けさつながり、ですかしらね。 三句 鶯のこゑつまづいて薬師坂 中江 つまづいたのは作者ご自身かもしれませんが、早春の、まだ鳴き方が下手で表現に躓いている鶯のことともうけとれます。面白い。次も花の定座の前に春の句もう一句。 四句 春風の先水切りの先 井上 水面に小石を投げて跳ねさせる遊びは、なんとなく青春っぽい。…
今日のうた (146) 6月ぶん ひとつ脱いで後(うしろ)に負ひぬ衣更(ころもがへ) (芭蕉1688、「旅の最中で夏衣をもっていない、この衣を脱いで背中に背負い、衣更とするか」、「衣更」は、高校生の制服の転換のイメージがあったが、芭蕉の頃からあったのだ) 6.1 投げ苗のとどかず歩み寄りにけり (八郎、「田植えの人に苗の束を投げたが、届かないので歩み寄って渡した」、昔の田植えの光景だ、今、植村の近所では田植え真っ盛り、田植え機械に大量の苗の束を斜めに傾けて並べ、機械が動いて一気に植えられてゆく、作者は不明) 2 わらうてはをられずなりぬ梅雨の漏(もれ) (森川暁水1901~76、昔の日本の木造…
毎日ケン爺(宮腰賢・学大名誉教授)とメール交換をしているけど、今朝は蝶についての蘊蓄をお送りした。ケン爺(日本語学専攻ながら)は俳句にも詳しく、最近新聞を読売に代えたら俳人・長谷川櫂の連載記事にアゲハチョウの大きな写真が出ていたというので、新聞記事に出たのなら夏型(大きい)だろうと言ったのをきっかけにやり取りが続いた。ケン爺の庭には郁子(むべ)の花が咲いて蜜もあるのに、アゲハは別の蜜も無さそうな花に集まっていると心配していたので、以下のメールを送った。 そういえばパンダも主に竹しか食べないしネ(リンゴやニンジンも食べるようだけど主食じゃないし)。 夏型のアゲハの大きさを想定して見れば、目の前の…
初心者の方も気軽に「第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト」にご参加いただくべくお届けしている、選考委員インタビュー。第三弾の今回は「歌会」「句会」について紹介します。合わせて、短歌と俳句ってどう違うの?という疑問にも答えていただいています! 本記事で紹介している内容 ▼短歌の部・大森静佳さんに聞いた「歌会のしくみ」について ・歌会のおもしろさについて ・歌会に参加したいと思ったら ・「短歌ブーム」について ・短歌と俳句の違い ▼俳句の部・西村麒麟さんに聞いた「句会のしくみ」について ・句会のおもしろさについて〜高得点に名句なし?〜 ・句会に参加したいと思ったら ・俳句と短歌の違い 短歌の部・大森…
鉄さん、コメントの投稿、ありがとうございました。 「丹波屋」、そうです、そうです、丹波屋です。 どういう訳か突然、おはぎ屋が開店して、あれよあれよと言う間にフランチャイズの店(多分)が出来て行きました。 私は、おはぎと赤飯が大好きなので時々、買っていました。 でも、いつの間にか街から姿を消していきました。 不思議ですね。 100円のケーキ屋は昔、私が天王寺区に住んでいた頃、何か所かに出来ました。 私は甘い物が好きなので、時々、買っていました。 私は生クリームよりバタークリームの方が好きかも。 だって生クリームは、堂島ロールとかで一世を風靡しましたがいざ、食べてみるとフワフワで頼りない気がして、…
今日の午前10時半頃、団地の1階にある保育園の子供達(年少組)が先生に手を引かれて、また6人乗りのベビーカー2台に載せられて団地の広場にやって来ました。 女の先生は3人、子供達は17、8人。 広場に連れて来られた子供達は蜘蛛の子を散らしたように走り出したり、地面に座ったりしていました。 まだ生まれてから2年も経っていない子供達でしょうか、まだまともに走れない子もいるようでした。 この子達は将来、どうなるのでしょう? 自分の子供でも、ましてや孫でもないこの子達に、幸多かれと3階のベランダから祈りました。 午後3時頃、コーヒーを飲みながら夕刊を読み、その後、シャワーを浴びました。 気温は暑くもなく…
初心者の方も気軽に「第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト」にご参加いただくべくお届けしている、選考委員インタビュー。今回は第二弾、俳句の部・西村麒麟さんに聞いた「俳句の読み方・作り方」です。また、カクヨム公式Twitterにて本日より5/31まで、質問箱に回答します。詳細は記事の下部をご覧ください。 本記事で紹介している内容 ▼俳句の読み方 ・俳句を味わう楽しみについて ・季語との付き合い方 ・初心者におすすめの入門書 ▼俳句の作り方 ・初心者が「俳句を詠もう!」と思った時に考えるべきこと ・二十句連作部門に向けて、連作の作り方 ・俳句を初めて作る方に向けて、選考委員として期待すること ▼質問箱…
1ヶ月ぶりに戻ってきた。 それにしても異動によるストレスは大きかった。 今回はこの1ヶ月を振り返ってみたい。 異動のストレス かろうじて続けられたこと 最後に 異動のストレス ストレスの要因を考えてみると、 その1、異動の内示はなく、いきなり通知が届いたこと。 その2、勤め始めて1年4ヶ月での異動であり、ようやく現在の新しい仕事に慣れてきたところだったこと。 その3、異動後に大きく環境が変わったこと。 その4、異動後の職員間の信頼関係構築。 その5、異動後の仕事のルールの違いを理解するのに苦労したこと。 まあ、だいたいこんなところ。 こうしたストレスが3月中旬から5月上旬まで続いた。 そしてと…
晴れの火曜日。うかうかして髭剃りの際に出血する。痛い。お昼ご飯にチキン南蛮を食べたらおいしかった。 母が子どものころに読んだという年季の入った『星の王子さま』を譲り受けて以来およそ20年、内藤濯のことを「ないとうかい」さんだと思っていて、今日初めて「ないとうあろう」さんだと知る。北村薫『雪月花―謎解き私小説―』は私みたいなそそっかしい読者のために「あろう」とルビをふってくれていたのだ。確かに、「濯」は「かい」とは読まない。大変失礼いたしました。お名前が「櫂」で「かい」といえば長谷川櫂だけれどこれは俳号。内藤濯は本名らしい。インターネットで調べたところによると、櫂が人名用漢字になったのは2004…