お待ちどおの開花宣言、小松堂の開化煎餅。 拙宅老桜樹、十輪ほどの開花を確認。例年より一週間ほど、昨年より二週間ほど遅い。まだ風が肌寒いなか、これ以上は待ちきれぬといった風情である。 ここいく年かは、老樹にとって最後の花となるかも知れぬと覚悟しながら、この季節を過してきた。また一年、互いに生き残ったかとの想いがある。私自身の身の上もさることながら、敷地の半分を東京都に召上げられる日を、また一年、先延ばしにしたのだ。 今年初めてアダンソンハエトリが、わがデスクに現れた。啓蟄を過ぎて、もう二十日にもなる。 獲物捕獲の罠としてクモの巣を張る習性をもたぬ、ごく小型種のクモだ。その代りよく歩く。平時におい…