ドイツ文学者。1924(大正13)年、静岡市生まれ。 1946(昭和21)年東京大学文学部独文学科卒業。 1954(昭和29)年より1年間ミュンヘン大学に留学。 1959(昭和34)年東京大学助教授、1965(昭和40)年より1年間フライブルク大学講師。 1970(昭和45)年東京大学教授、1985(昭和60)年東京大学名誉教授、独協大学教授。
関楠生「わんぱくジョーク」(河出文庫)やポケットジョーク「1.禁断のユーモア」(角川文庫)がネーション―ステートを持っている側の笑いであるとすると、こちらのジョーク集はネーション―ステートを持たない側の笑い(強者の笑いはアレン・スミス「いたずらの天才」(文春文庫) )。 ローマ時代に自治区を破壊されたあと、世界中に離散しながらも、共同体を維持してネーション意識を持っている人々。その代りに、どの時代のどの場所でも差別を受けてきた。ユダヤ人の歴史や意識を解説することなどできないので、それは本書の解説に簡単に書いてあるので見ておくとよい。 ネーション意識を持っているとはいいながら、場所によってありか…
この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史、そして現代世界情勢への興味・関心を引き出していくプロジェクトです。今回は第8〜13話『ナミ登場』以降のエピソードからマゼラン艦隊による世界周航ついて更に関心を広げます。今回は世界周航につながった西回り航路へのきっかけと、マゼランの天文学者の仲間についてご紹介します。 【長子作:ルフィに協力を提案するナミ】 ■航海士の重要性 麦わら海賊団とマゼラン艦隊 第8話の冒頭、ルフィとゾロは海をさすらいながら雑談をしています。 ゾロ「まったく・・・!航海もできねェなんて海賊が聞いて呆れるぜ!これじゃ…
「学問は全体としてつねに実生活から離れ,回り道をしてのみそこへまたもどってくる。」(『ゲーテ全集 13 エッセイ』,岩崎英二郎・関楠生訳,潮出版社) ◯私たちはいかに生きるべきなのでしょうか。どんなに回り道をしてでもその問いに答えてくれるからこそ,学問には意味があるのではないでしょうか。私たちが幸せであるために,私たちが実り多い人生を送るために何の役にも立たないのなら,学問はいったい何のために行われ,何を目指して進歩・発達しようとしているのでしょうか。(2020年3月20日)
「無知の人びとは,千年前にすでに知者によって答えられている質問を提出する。」(『ゲーテ全集 13 エッセイ』,岩崎英二郎・関楠生訳,潮出版社) ◯ほとんどの真理は,すでに発見され,私たちの目の前に開示されているのである。私たちがすべきことは,目の前に開示されている真理にきちんと目を向け,謙虚に受け止め,心から納得するということだけなのではないだろうか。(2020年3月1日)
「若くて頭のよい人びとが,すでに他の人びとによって認められた真理を認めれば独創性を失うと考えるのは,あらゆる誤りのなかでもっとも愚かな誤りである。」(『ゲーテ全集 13 エッセイ』,岩崎英二郎・関楠生訳,潮出版社) ◯人間はそもそも十人十色なのであり,独創性や個性を競う必要などまったくない。むしろ,他者からの評価を得ようとすればするほど,自分を見失い,独創性や個性を失うということになりかねない。大切なのは,他者からの評価を得ることではなく,真理に気づくことであり(もちろん,真理はすべての人のものなのであり,人より早く気づいたからといって,その真理を独り占めできるわけではない。),真理に気づいた…
「発明とはまた何であろうか。そしてだれが,あれこれのことを発明したなどと言えるだろうか。そもそも優先権を誇るなど,じつにばかげたことである。」(『ゲーテ全集 13 エッセイ』,岩崎英二郎・関楠生訳,潮出版社) ◯新たな真理を明らかにする,作り出すなどということが可能なのだろか。真理は大昔から変わらぬ姿でそこに存在しているものなのではないだろうか。その真理に他者より早く気づく人もいれば,他者に遅れて気づく人もいるだろうが,真理は誰のものでもなく(真理はすべての人のものであり),早く気づいたからといってその真理を独り占めできるわけではない。(2020年2月28日)
「人は真実が非常に単純なものであることをおもしろく思わないが,その真実が実際に自分の役に立つようにするためには,まだたっぷり苦労しなければならないことをよくよく考えてみるべきであろう。」(『ゲーテ全集 13 エッセイ』,岩崎英二郎・関楠生訳,潮出版社) ◯ことわざのように,真実はとてもシンプルであり,誰もが知っていることばかりであるが,それを身につけ,実際に生かすことができるのは,ごくわずかな人間だけである。ほとんどの人間は,シンプルさゆえに真実を軽んじ,真剣に身につけようとさえせず,多くの困難や苦労を経験した末にやっとのことでその真実を得心するに至る。(2020年2月21日)
元々読書好きを自称してはいたものの、なんだかんだいって結局読んでいるのは欧米や日本人作家の作品ばかり…。そんな折にこの、世界各国の代表的な小説を一年で196冊読んだ方の記事が目に飛び込んできて、早速自分もやってみようと決意したのが2016年初頭。それからちょこちょこ特定の国の本を探しては、読み進める事丸三年!ようやく100冊読み終える事ができました。まさかここまで時間がかかるとは思っていなかったものの、海外文学の造詣を深めるとびきり良い機会になりました。ひとところに居ながらにして、ここまで自分の世界が拡がるとは思わなかったなぁ。 読んだ世界の小説100冊 今回の試みでは、各国に所縁のある作家の…