2011年3月11日の東日本大震災から13年という日に,さまざまなイベント,さまざまな報道がなされている。13回忌という意味なのだろうか。しかし,阪神淡路大震災からも29年など,何年経っても,当事者の記憶から災害の光景が消えることもないし,非当事者にはほとんど関係のない出来事である。 筆者にとっては,故郷の実家が半壊の被害を受けた阪神淡路大震災が,人生の中で最も大きな災害である。家具が散乱し,壁が剥がれ落ち,便器がひび割れたその光景は今でも鮮明に思い出す。実家の前の2階建てのアパートの1階が崩壊し,友人の実家も1階が崩れ,馴染みのお米屋さんの前のマンションが傾いた。国道を跨ぐ立体交差道路の橋桁…