●歌は、「紀伊の国にやまず通はむ妻の社妻寄しこせに妻といひながら」である。 和歌山県橋本市妻 妻の森神社西社万葉歌碑(作者未詳 或は坂上忌寸人長か) ●歌碑は、和歌山県橋本市妻 妻の森神社西社にある。 ●歌をみていこう。 一六六七から一六七九歌の歌群の題詞は、「大寳元年辛丑冬十月太上天皇大行天皇幸紀伊國時歌十三首」<大宝(だいほう)元年辛丑(かのとうし)の冬の十月に、太上天皇(おほきすめらみこと)・大行天皇(さきのすめらみこと)、紀伊の国(きのくに)に幸(いでま)す時の歌十三首>である。 (注)ここでは太上天皇は持統天皇、大行天皇は文武天皇をさす。 (注の注)だいじょうてんわう【▽太上天皇】:…