はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と五十七 「アイ ノ カクシボウチョウ!」 さらに、もう一つ、プロ職人さん繋がりの思い出が、あたかも心太(トコロテン)かナニかのごとくムニュッと押し出されるかのように、蘇る。 予算的に、さすがに正月に、というわけにはいかないのだけれど、毎年年末に、年老いた母親と、私の兄弟やら次世代の面々たちとともに、一流ホテルに泊まる、という恒例のビッグイベントを実施していたのである。 そんなある年の暮れのこと。 あるホテルの、あるレストランで、いつものように、皆が席について、出されたカラフルな料理の数々に舌鼓。何気に母親の皿をチェックしてみると、いつもなら、硬いとか、…