> 履 歴 稿 紫 影子 北海道似湾編 函開け大将 4の3 雨の中を家に駆け込んだ私が、このことを母に話をすると、「義章、お前それをやれるか、なかなか辛いと思うぞ。」と母は言ったのだが、私には自信が持てたので、「お母さん大丈夫だよ、俺はやるから。」と私が言うと、「そうか、そんならおやり、それにしてもお前に三円も月給をくれるのかネエ。」と言って、母は喜んで居た。 やがて、臨時集配人としての第一日を迎えた。その日朝食をすました私は、「ご苦労じゃな。」と言って、玄関まで見送ってくれた母へ、「行ってきます。」と元気な声を残して、郵便局へ初の出勤をした。 「お早うご座居ます。」と、窓口から挨拶をすると、…