ホツマツタヱには獲物や恵みを意味する「サチ」という語句はありますが、「しあわせ」という語句がありません。「あわ」を結ぶという意味ともとれる「幸せ」は、極めてホツマ的な表現とも筆者には思えるのですが、文献では見いだせません。代わりに、「さひあひ/さいわい」という言葉があります。 幸福のホツマ的表現である「さひあひ」は、駒形一登さんの解釈では「添ふ」「合ふ」の名詞表現ということですが、男女が寄り添って出会い結ばれることを意味します。ちなみに「さいあい」を変換すると「最愛」となりますが、平安・鎌倉・室町頃の古典にも、「さいあひの妻」「最愛の中」「さいあひして、御子あまたいでき給う」などの用例があり、…